K I R I B A N
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授業が終わった放課後。
教室を出て真っ直ぐ向かったのは購買部。

「ちわー!」

ガラス戸を開けた真っ正面に座ってたボスが俺の顔を見て…何事もなかったかのように手元に視線を下ろした。
その横をすり抜けた俺は更に奥の部屋のドアを開け中に入る。

「あれ…一番乗りか?」

ガランとした畳の部屋は小綺麗にしてあり、なにより居心地がいい。
真ん中にある丸テーブルの上に携帯を置いてゴロンと横になった。

「柊。湯、沸かしとけ。」

購買から声が掛けられ、体を起こしてガス台に近付く。

「あー!柊が一番乗り?なんか悔しいっ!」

聞き慣れた声のする方に視線を向けると、ちょうど靴を脱いでる途中の芹公がいた。

「お前が遅いからだろ?」

「大葉との別れを惜しんでたんだからしょーがないでしょ!」

プーッと頬を膨らませて部屋に上がり、テーブルにゴツンと額をぶつけて芹公が溜め息を吐く。

「今の痛くねー?」

結構な音がした頭を気にしてやる。

「はぁ…早く会議終わんないかな…?」

そんな俺の話も聞かず芹公がまたひとつデカい溜め息を吐いた。


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あきゅろす。
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