K I R I B A N
D
やっと解放された手を伸ばして祐一郎をギュッと抱き締めた。
細いくせに筋肉がしっかりとついた身体はいつだって僕を安心させてくれる。
「ひろ…?」
耳元に寄せられた唇から低い声と熱い吐息が注ぎ込まれて…。
「ゆう…早く…」
我慢できずにそう言って唇を重ねた。
隙間から侵入した舌に反応して自分のを絡めて…
甘いキスに酔ってる僕のナカに、祐一郎がゆっくりと入ってきた。
「…ッ…ン…」
熱いのがナカを行き来する度キツくしがみ着く。
抱いたゆうの背中に爪を立て、揺さぶられながらも飛びそうな意識をなんとか繋いだ。
「ン、ぁ…ゆう…!」
「ひろ…ッ!」
吐き出す息も声も…
僕のなのか、ゆうのなのかさえ分からなくなって…
「イ、ク…!」
「あ…ぁッ!」
二人同時に限界を迎えた。
波打つ僕の胸に頬を寄せた祐一郎が愛しい。
ナカで脈打つ祐一郎のもスゴく愛しい。
愛する人とする行為は、堪らなく幸せでキモチ良くて。
僕はホントに幸せ者なんだ…ってそう思う。
重ねられてた唇が離れ、ゆっくりとまぶたを開いた。
その視界に写るイイ男を見上げて自然と笑みがこぼれる。
「なに…ひろ?」
「僕はね…」
「…ん?」
柔らかな瞳で見つめられて胸がキュンとする。
まるで乙女のようなそんな自分も嫌いじゃない。
「僕は…オマエが大好きだよ。」
見開いた祐一郎のブラウンの瞳に僕が写る。
こんな風にいつも僕だけを写していて欲しい。
「俺も…弘樹だけだよ。…愛してる。」
見つめ合い抱き締め合いお互いの大事さを確認する。
抱き締めてくれる暖かい腕の中で…僕はゆっくりと瞳を閉じた。
―END―
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