K I R I B A N
A
「帰りがけ、先輩に飯食うの付き合えって言われてファミレスに寄ってきたんだ。」
ベッドの上であぐらをかいてる僕の前で祐一郎がツナギのファスナーを腰まで下ろした。
「一人で?」
「いや?佐古も弟も一緒だったよ?」
「メールぐらい、くれればいいじゃん!」
頬を膨らませる僕を見下ろし、苦笑いをしたゆうの顔が近付いて。
「朝っぱらにケンカした相手が待ってるなんて普通思わないでしょ?」
ウッ…と返事に詰まる。
確かにさ?
また今日もバイトに行く…って言うからケンカになっちゃったけど、それとこれとは違うんだよ。
…なんて。
「ごめん…。」
「ごめんね?」
同時に謝って…お互いの顔を見ながら笑い合う。
「淋しい思いさせてゴメンね、ひろ。」
「僕の為にバイトなんかさせてゴメン、ゆう。」
僕との約束を守る為バイトを始めた祐一郎。
なのに僕は…淋しいってダダこねて。
「…まだまだお子ちゃまだよね?」
俯いて溜め息を吐いた僕の唇に祐一郎の柔らかな唇が重なる。
「俺は、そんな弘樹が好きだよ?」
蕩けそうな一言に身体が熱くなる。
もう…なんて優しいんだよ…コイツめ!
キスしたまま右手を伸ばし、ゆうの股間をゆっくりと撫で上げる。
…と、少し反応しつつあったソレは…すぐに硬度を増した。
「ひろ…?」
「ね、シて?」
目の前のキレイな顔がほんのり赤くなる。
「汗かいたからシャワー浴びてくる。」
「…ヤダ。」
自分でも嫌になるくらい…ワガママだ。
ゆうの顔をジッと見つめガチガチになってるアレを指先でなぞる。
「…ひ、ろっ…」
「汗かいててもいい…だから…」
唇をついばみ愛しいカレシの耳たぶを軽く噛みながら…。
「ゆうので…僕の身体を汚してよ。」
そう、言った。
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