K I R I B A N
B
挙式が始まり、叔父さんとアルバイトの巫女さんと弘樹の三人が儀式を行う姿を遠目で見ている。
無茶苦茶…可愛い!
この場にいるどの女よりも弘樹が一番キレイだ。
昔…良くここでこうして弘樹が舞いを練習してるトコを見てたっけ。
なんて、ちょっと思い出してみたりする。
あの頃なんて比べ物にならないくらい、今の弘樹は…キレイだ。
ウットリしながら見てると。
「ボク、あのおねぇちゃんとケッコンするー!」
そんな子供の声がして指した指の先には…俺の弘樹の姿。
俺はその子の隣りにしゃがんで頭を撫でながら。
「あのオネーチャンは、お兄ちゃんの彼女だからあげないよ。」
「えーっ?ヤダヤダ!」
なんて大人気ない俺。
だって…弘樹を誰にも渡したくないんだもん。
ショーガナイ!
そして…長かった神前挙式が終わり、俺は弘樹と連れ立って本堂を後にした。
「全く…子供相手にさ?」
見下ろした先には頬を赤くした可愛い弘樹。
「だって…ホントの事でしょ?」
何か言おうと開いた唇にキスして。
「弘樹は俺のだから…誰にもやんないよ?」
「…大人気ないっての。」
可愛くない事を口にする体を担ぎ上げ、肩に乗せて二人きりになれる場所を探した。
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