K I R I B A N
B
「…とも…」
俺の名を呼ぶ甘い声に意識が戻る。
「…あ…たく…?」
整ったキレイな顔が近付いて…唇にそのカタチの良い唇が重なる。
「大丈夫か?」
腕の中に引き込まれやんわりと抱き締められた。
頬を寄せた胸から拓真の心音が聞こえて…その心地よさに瞳を閉じる。
「…とも?」
「ん…大丈夫だよ?」
額に柔らかな感触。
目を開けば…真っ正面には拓真の微笑みがあって、今更ながらドキドキした。
「痛くなかったか…?」
俺の腰をなぞりながら耳元に唇を寄せて…頬に触れるだけのキス。
「痛くないよ…平気。」
見つめ合って…唇を重ねた。
「お前、声…ガラガラだぞ?」
「え?」
言われて気付く。
いつもよりはるかに掠れた声に思わず苦笑いをする。
「感じ過ぎだろ…ともチャン?」
「…そんなにしたのは…たくでしょ?」
俺を見下ろす拓真の瞳が柔らかく溶けて…また唇が重なる。
何度しても拓真とのキスは…イイ。
セックスの相性もだけど拓真とのキスは最高にキモチイイ。
「…っ…。」
触れていた部分が離れ…急に淋しくなる。
唇のぬくもりも…絡む舌の熱さも。
もう一度触れたくて…拓真の首に腕を絡ませ引き寄せた。
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