K I R I B A N
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授業が終わり教科書を鞄に詰め込み机の中から会議の資料を取り出す。
また今日も…クラス委員の会議。
昨日も、おとといも。
正直こんなにハードだと思ってなかったから受けた話だったけど…最近はかなりバテ気味。
溜め息をひとつ吐き机に突っ伏し瞳を閉じた。
「学年委員長!さ、会議に行くよ!」
頭上から掛けられた声にゆっくり顔を上げれば…すぐ隣りにはウチのクラス委員長の姿が。
「…春日部。」
春日部を見上げてまたひとつ溜め息。
「行こう?」
「あー…分かってるよ。」
重い腰を上げ上体を軽く反らして伸びをした。
「大葉?」
隣りの席の可愛い恋人に呼ばれて顔を向ける。
「…ん?」
「今日も遅くなる?」
「ん…ちょっと分からないな。待たせるのも悪いから佐古達と先に帰っててくれてもいいよ?」
サラサラな髪に触れ軽く撫でると芹沢は気持ち良さそうに目を細めた。
あぁ…
何て可愛い!
今すぐ抱き締めたい。
抱き締めてキスしたい。
…我が兄貴だったら人目も気にせずやってるだろうが、俺には到底マネできない。
すると…
触れたい衝動と戦っている俺の横から。
「ホラ、イチャついてないで行くよ?」
呆れたような春日部の声にハッと我に反り、芹沢の頭上の手を慌ててどけた。
「じゃ、行ってくる。」
「芹沢、また後でね!」
名残惜しいけど…仕方ない。
今日こそはとっとと会議を終わらせて芹沢をゆっくり抱き締めよう。
そう心に誓って教室を後にした。
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