K I R I B A N
F
いつもはスプリングのきいたベッドでヤってるから…マットレスだけの布団ってのも新鮮でいい。
「…ッ…!」
キスしたまま突き上げ智の声を全て食らい尽くすけど…掠れた喘ぎ声が聞きてぇ。
欲望に負けて唇を離す。
見下ろした智は…感じて潤んだ瞳で切なげに俺を見上げた。
「…た、く…」
突き挿れる度に細い身体がビクビクと震え、俺の唇がなくなった唇に自分の手の甲を当て、洩れ出る声を我慢する姿が…スゲェそそる。
「声…出せよ?」
口元を塞いでる手を外して布団に押し付けて。
「…ッ…!」
もし芹が起きれば濡れた水音でヤってる事なんてバレバレ。
だったら…イイんじゃねぇの?
「…ッ…ぅ!」
眉をキツく寄せ我慢してる顔が…マジ、エロい。
智のナカにいる俺のモノも自然にデカくなった。
「堪んねぇな…」
俺の方が我慢できずにラストスパートをかける。
「ッ!……あッ!」
洩れ出た声に満足して、唇を塞いでやる。
待ち兼ねていたように絡んでくる舌に応えながら最奥を何度も突き上げて…。
「……ッ!!」
腹の下で智が先に限界を迎え…ギュッと締まったナカに俺も熱を注ぎ込んだ。
「ん…ッ…」
脈打つ度に智も身体を震わせる。
その仕草が可愛くて…また抱きたくなるんだ。
「…愛してるよ。」
汗で濡れた前髪をかき上げて額にキスをする。
「俺も…たく…」
キツく抱き合い、また唇を重ねる。
愛しいお前を…離したくないんだ。
心を…身体を重ねる度、俺はどんどんお前に溺れていく。
「愛してる…」
何度もそう、囁いた。
―END―
《おまけ》
爽やかな朝。
こんがりと焼けたトーストを満面の笑みでかじってた芹が不意に。
「夕べ地震あったよね?」
「地震?」
オレンジジュースをグラスに注ぎながら智が首を傾げた。
「なかったよね、拓真?」
調子こいて二回ヤってたけど地震なんて…と思いながら顔がニヤける。
「地震はねぇけど…部屋は揺れてたかもな?」
見つめた智は…意味が分かったらしく顔を真っ赤にした。
「え?あれは地震じゃなかったの?」
「さぁな?」
ニヤニヤが止まんねぇ。
「くどー?どうしたの、顔真っ赤だよ?」
呼ばれた智はグラスに注いだオレンジジュースを一気に飲み干し更に顔を赤くした。
夕べのセックスで部屋が揺れてたんだもんな?
動揺するのは当然か?
「あの揺れは芹的にはどんくらいだ?」
「んー…震度四はあったと思う!」
「そりゃ相当揺れたな。」
込み上げる笑いが止まんねぇ。
そんな俺を不思議そうに芹が見て…智は真っ赤な顔してパンをかじった。
次に芹が泊まる時には…どんだけ揺れるんだか?
楽しみがひとつ増えた。
―END―
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