K I R I B A N
C
「…つか、とっとと迎えにこいよ!」

タバコを買うと外に出てその帰りに良介に電話掛けている。

『車で連れてきちゃえばいいだろ?』

含み笑いをしてる余裕なヤツがまたムカつく。

「アイツ、智がいるから強気に出てんだ。テコでも動かねぇな。」

大きくため息を吐き火のついたタバコを持つ手で前髪をかき上げる。

『俺も会議で、構ってやれなかったから拗ねてるのもあると思う。』

「尚更、来い!」

『ソッチに泊まるから…ってさっきメールきたしな?』

「はぁっ!?」

途端…前髪が…少しだけ焦げた。

『なんでそんなに嫌がるんだよ?』

「アイツが智から離れねぇからセックスできねぇんだよ!」

イライラする耳元で一瞬トキが止まる。

『…たまにはイイんじゃないの?』

「…人事だと思いやがって。」

あんなに可愛い智を目の前にしてお預け。
それがどんなにキツいか…お前には分からんだろうがな。

またもやため息。

『そんな訳で…芹を頼むな?』

「オイ、こらテメェ!」

『くれぐれも芹を襲わないように!』

「…………有り得ねぇ。」

電話口で楽しそうに笑う良介の声を聞きながら通話を終了して…
こうなりゃ実力行使だな…一段と大きなため息を吐いた。


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