K I R I B A N
A ―芹沢SIDE―
「芹沢、手は?痛くないの?」

俺の隣りでCCレモン飲んでる西野が心配そうにそう聞いてきた。

「手?あ、もしかしてさっき柊がワザかけたヤツ?」

ハッと思い出して右手を伸ばしグーパーを繰り返してみせる。

「ちょっ…痛くないの?」

「痛くないよ?て言うか柊はほとんど力入れてなかったし。」

少し温くなったコーラを一気に飲んで西野を見て…もしかして?

「あれは柊の気遣いなんだよ?」

「…気遣いで関節技とかかけられちゃうの?」

眉をギュッって寄せた西野がジャングルジムの上にいる柊を見上げる。

うーん…何て言えば分かるかな?

「あのね…購買にいた時俺、大葉がいなくてテンション低かったんだ。多分柊はそれを気にして俺にちょっかい出したんだと思うよ?」

「…え…?そうなの?」

信じられないって顔する西野をジッと見て。

「柊ってスゴい良いヤツなんだよ?」

付き合ってみなきゃ分かんないんだよ、柊って。
見た目デッカイし強いし口悪いし。
確かに馴れるまではそうかもだけど、馴れちゃえば頼りになるヤツなんだ!

…西野にはまだ分かんないのかな?

「じゃあさっきのは…?」

「フェイクだよ?」

目をパチパチさせてる西野を見ながら笑いが出て…同時に、心配してくれたその気持ちが嬉しかった。

「西野…心配してくれてアリガトね!」

やんわり笑った西野が。

「芹沢は僕の大事な友達だもん心配するに決まってるじゃん!」

あぁ…やっぱり友達っていいなぁ。
すンごい幸せを感じた。


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