K I R I B A N
@ ―弘樹SIDE―
夏休みも終わり、だらだらした日常も少しだけ引き締まった…気がする。
学校が終わった放課後。
僕と祐一郎、佐古夫婦?と芹沢は揃って帰り道沿いの公園でたむろしてるとこ。
始めは購買に集まって普通に過ごしてたんだけど…祐一郎がイキナリ芹沢に関節ワザを掛けて僕と佐古をも巻き込んでの大騒ぎになっちゃったんだ。
それで案の定…
『ウゼーッ!とっとと出てけ!』
収拾の付かなくなった僕らに、ブチ切れたニイサンからの雷が落ちた。
…久遠以外の全員は外に放り出されて…今に至るってわけ。
「あーぁ…ヒメのいれてくれたコーヒー、まだ飲み途中だったんだよなぁ…」
ジャングルジムのてっぺんに座る祐一郎が飲み終えた牛乳パックをグシャッと潰し溜め息を吐いた。
「元はと言えばお前が悪いんだろうが。」
一番下の足場に座ってる佐古が上にいる祐一郎を軽く睨み口の端を上げる。
「だってさー?昨日の試合みたろ?」
「だからって芹沢にワザ掛けたりすんなよな。」
…夕べ見たKー1の話で佐古と盛り上がったまでは良かったんだけど。
たまたま隣りにいた芹沢にその技をかけたのはいかがなもんか?
…そりゃ大騒ぎにもなるさ。
「ボスったら本気で殴るんだもんなー…目から火花が出たよ!」
収拾が付かなくなった状況を納めたのはニイサンのゲンコツだった。
「おかげで僕までゲンコツされたってのー!」
ブーたれる僕の横で佐古も頷く。
「いいじゃん!ボスの愛の鉄拳なんてそうもらえるもんじゃないしさ?」
「んなの、お前だけだろ…俺はいらねぇし。」
「僕も。」
ニヒヒッ…と笑った祐一郎を見上げて僕らは溜め息を吐いた。
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