K I R I B A N
「決心」D
それから三人で色んな話して…気が付いたら外はほんのり暗くなってて。
駅前で田口さんと別れ今は佐古と二人、並んで坂道を上ってる。
「田口さんて…いい人だね?」
「アホだけどな。アイツは俺の一番の親友だ。」
…だから…僕に引き合わせてくれたんだろうか?
なんて都合良く解釈しちゃったりして。
「俺の大事なモンを大事な親友に合わせたかったんだ。」
サラッとそう言われて…ドキッとした。
そうだったらいいなぁって思ってたのがホントだったなんて!
「佐古…」
「…ん?」
立ち止まって佐古の胸に抱き着いた。
「楓…?」
「ありがと。すごく…嬉しい。」
抱き着いた佐古はとっても温かい。
ギュッと抱き締めてくれる腕も…さり気なく僕の尻を触る手だって。
「…感動のシーンでセクハラ?」
「セクハラじゃねぇよ…愛の儀式だろ?」
ククッ…って笑う佐古が愛しい。
片思いしてた時には考えられなかった今が…夢か幻か。
「楓…好きだ…。」
ウットリするようなキレイな顔が近付いて…唇が重なる。
夢でも幻でもない。
手を伸ばせばすぐ側には佐古がいる。
僕は…君が望む限り側にいて君を愛する。
内緒だけど…そう、心に決めた。
―END―
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