K I R I B A N
「決心」@
「…楓。」
遠いトコから僕を呼ぶ…聞き慣れた甘い声に意識が戻る。
ゆるゆるとまぶたを開くと…僕の顔を覗き込んでるイイ男がニヤッと笑った。
「…さこ…?」
「おはよう、楓。」
ギシ…とベッドが軋み横たわる僕の隣りに腰を下ろした佐古が額にキスをする。
「おはよ…佐古。」
何だか照れくさい。
何度も身体を繋いでるのに未だにこうしているだけでも…胸がドキドキするんだ。
「ちょっと出掛けるぞ。」
「え…そうなの?」
こんなに好きな僕の彼は付き合いが広く、いつもどこかに出掛けてしまう。
いつも置いてきぼりをくらう僕は、一人淋しく部屋の片隅で彼の帰りを待っているんだ。
…ところが
今日はいつもと違って。
「お前も一緒に来いよ。」
「…えっ!?」
言うなり布団をはがす佐古を驚いて見つめると…
「…色ッポイな。」
裸の僕を見下ろした佐古の瞳がギラッと光った。
「や…佐古…っ!」
「お前が…そんなカッコしてんのが悪い。」
そんなって!
エッチしたままオチちゃったんだから…裸なのは当然でしょ!?
横たわる僕に身体を重ねた佐古が首筋にキスして身体に舌を這わせる。
「さ…こっ!」
「…楓…」
そして…また一つになった。
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