K I R I B A N
「ぬくもり。」D
ベッドの中で抱き合い、何度も口付けを交わす。
満足げに微笑む芹沢の少し赤く染まった頬に唇で触れて…

「痛くなかったか?俺…少し焦ってたから…」

「ん、平気だよ?…キモチ良かった…よ。」

はにかんだ姿が可愛くて…身体に回した両腕に力を込めてギュッと抱き締める。

「大葉…痛いよ…?」

「ん…ゴメン。」

謝っても…力を緩めるつもりなんて、ない。
すると…クスッと笑った芹沢が俺に回した腕に力を込めてきた。

「お返しだーっ!」

痛くはないけど…楽しそうな芹沢を見てたらやっぱり…

「イテテッ!」

軽く顔をしかめてみたりして…。
チラと盗み見た芹沢の笑顔が眩しくて思わず目を閉じる。

「ゴメン!痛かった!?」

「大丈夫だよ。」

焦った顔も可愛い。
やっぱり俺…自分で思ってる以上に芹沢を好きみたいだ。

「芹沢…好きだよ。」

「俺もだよ…大葉。」

腕の中の屈託ない笑顔がこうしていつも俺を癒してくれる。

俺は…どうなんだろう?

芹沢に…安心とか…安らぎとかをあげられているのだろうか?

そんな事考えていたら…芹沢が俺の胸に頬を寄せて。

「大葉のぬくもり…俺の一番大事な物なんだ。」

俺のぬくもりが一番大事だと言う芹沢が…俺の一番。

「…ありがとう。」

ただそれだけを告げ強く抱き締め…何度も何度も…キスをした。

―END―


[*←前n][次n→#]

6/37ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!