K I R I B A N
「ぬくもり。」D
ベッドの中で抱き合い、何度も口付けを交わす。
満足げに微笑む芹沢の少し赤く染まった頬に唇で触れて…
「痛くなかったか?俺…少し焦ってたから…」
「ん、平気だよ?…キモチ良かった…よ。」
はにかんだ姿が可愛くて…身体に回した両腕に力を込めてギュッと抱き締める。
「大葉…痛いよ…?」
「ん…ゴメン。」
謝っても…力を緩めるつもりなんて、ない。
すると…クスッと笑った芹沢が俺に回した腕に力を込めてきた。
「お返しだーっ!」
痛くはないけど…楽しそうな芹沢を見てたらやっぱり…
「イテテッ!」
軽く顔をしかめてみたりして…。
チラと盗み見た芹沢の笑顔が眩しくて思わず目を閉じる。
「ゴメン!痛かった!?」
「大丈夫だよ。」
焦った顔も可愛い。
やっぱり俺…自分で思ってる以上に芹沢を好きみたいだ。
「芹沢…好きだよ。」
「俺もだよ…大葉。」
腕の中の屈託ない笑顔がこうしていつも俺を癒してくれる。
俺は…どうなんだろう?
芹沢に…安心とか…安らぎとかをあげられているのだろうか?
そんな事考えていたら…芹沢が俺の胸に頬を寄せて。
「大葉のぬくもり…俺の一番大事な物なんだ。」
俺のぬくもりが一番大事だと言う芹沢が…俺の一番。
「…ありがとう。」
ただそれだけを告げ強く抱き締め…何度も何度も…キスをした。
―END―
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