K I R I B A N
C
芹沢とソイツがあれやこれやと話を続けていた。

目の前で交わされてる
《英会話》ってヤツに軽いめまいを感じながらも俺はそれを正面で見てるのだけど。

無茶苦茶気になるのは…ソイツの手が芹沢の腰に置かれてる事。
そして…名刺を見てる芹沢の頬に触れそうなくらいの顔の距離。

…ムコウのヤツってみんなこんな感じなのか?

すると…ソイツが俺を指差し何かを言い始めて、芹沢は『yes,no』で答えてて。

俺の頭の中にある数少ない単語帳をめくりながらなんとか訳してみる。

《トモダチ?…違う!恋人?…そう!どこか…一緒に…ランチ…》

これはもしや…ナンパとかしてたりすんの?
しかも目の前に恋人がいんのに…言葉が通じないのを良い事に?

…イライラする。

困った顔した芹沢が俺に視線を向けて苦笑いをし…背中に回されてたヤツの手が、芹沢の尻に下りた。

―瞬間。

何かがキレる音がした。

「テメェこのヤロー!」

突然怒鳴られビビッたのかソイツが何かを訴え始めた。

「芹沢!訳せ!!」

「え…あの…」

しどろもどろな芹沢を横目にソイツに向かって声を張る。

「ジャパニーズオンリーだっての!」

俺の声に芹沢が苦笑いをした。


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