K I R I B A N
「ぬくもり。」A
抱き締めてた腕を解くと頬を赤くした芹沢がそこから抜け出て、カラーボックスの上に置いてある小さな冷蔵庫に手を掛けた。

椅子から立ち上がった俺は真っ直ぐベッドに向かい、スプリングのきいた上に体を投げ出す。

「大葉は?何か飲む?」

こちらを伺いながら小首を傾げる仕草が愛しい。

「俺は…いいや。」

パタンと冷蔵庫のドアを閉め芹沢が小走りにベッド脇まできてちょこんと腰を下ろす。

「おーば!」

ニコニコッと笑った芹沢が手に持っているコーラを机に置き…勢い良くベッドに身体を投げ出した。

「うわっ!」

揺れるベッドの上で満足気に笑う芹沢を見ながら…俺もつられて笑ってしまう。

「あとどのくらいで終わりそう?」

俺の身体にピッタリと寄り添う芹沢を抱き締めて。

「…一時間もあれば…メドが付きそうかな?」

「ホント!?」

満面の笑みを浮かべ俺の胸に何度も頬をすり寄せる。

その度、芹沢のサラサラな髪が鼻先をくすぐりなんともこそばゆい。

すると…可愛らしい芹沢が胸の中で顔を上げて。

「大葉…俺、欲求不満かもしんない。」

「…へっ?」

突然の発言に思わず目がテンになる。
そんな俺を見上げ、芹沢は拗ねたように唇を尖らせた。


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あきゅろす。
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