K I R I B A N
E
何度もキスしてキツく抱き締め合い…乱れた着衣を直しあった。
そして今は、健全に河原で水遊びなんぞをしている。
「あ!沢ガニ!」
どかした岩影から這い出し逃げる沢ガニを楽しそうに目で追う智が…愛しくて堪んねぇ。
「拓真ーっ!ね、冷たくて気持ちいいよ?」
膝までまくったジーンズ姿の智が眩しい笑顔で俺を呼ぶ。
…バカだな。
お前とのセックスよりもキモチイイ事なんてねぇぞ?
…せっかくのアウトドアだってのに考えるのはお前との淫らな事。
「拓真?」
いかんいかん。
せっかくここまできたんだから、お前との想い出を作んなきゃな。
「今、行く。」
重い腰を上げて裸足になりジーンズを膝上までまくり上げた。
清流に素足を浸し楽しげに笑う智へと一歩一歩近付く。
そんな俺に気付いた智が満面の笑みを向けて俺を迎えてくれて…。
「拓真ー!」
その眩しい笑顔にめまいさえする。
それ程に…俺はお前にやられちまってるんだ。
「あ、マジ冷てぇ!」
「でしょ?長く入ってると冷えちゃうかもね。」
やわらかく微笑む智を抱き寄せた。
「冷えたって…すぐに温めてやるよ。」
お前がいつも笑っていられるなら俺はなんでもする。
お前を…守る。
「拓真…大好き。」
俺を見上げる智の唇にキスして…抱いた腕に力を込めた。
―END―
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