K I R I B A N
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今日は久々に芹沢とデートする事になった。

駅前で待ち合わせをして…アイツが来たら電車で少し先の駅まで行ってから映画を観る予定。

しかしアイツもなかなか気まぐれだから、予定が変わる事もしばしば。
そこがまた…面白い。

アイツは色んな意味で俺とは違う。
だから一緒にいて…楽しいのかもな。

…なんて…
自分で言って照れてる俺も如何なもんか。

「大葉ぁー!」

改札横の踏切の辺りからバカデカい声が聞こえて…そっちを見るとバタバタと走ってくる芹沢の姿。

「ごめん!ごめん!ごめんね!」

ハァハァ言いながら額の前で手の平を合わせる。

「走ってきたのか?」

「ん…当たり前じゃん!…起きたら待ち合わせの時間だったし。」

最後のセリフに体の力が抜けたけど…走ってきたんならまぁいい。
ピンと跳ねてるネグセを摘み顔を見つめる。

「…え?なに?」

「寝癖…モロだよ。」

わたわたと髪を撫で付ける姿に笑みが零れた。

その手を握って改札に向かい二人分の切符を通して到着した電車に乗り込む。

「ありがと…帰りの切符は俺に買わしてね。」

俺を見上げてニッコリと笑う芹沢の頬に手の平を添える。

「ああ…頼むな。」

頬を赤くした芹沢が可愛くて…人目も気にせず抱き締めた。


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あきゅろす。
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