K I R I B A N
E
濡れた身体をギュッと抱き寄せ、包み込んだ弘樹の温かさに愛しさが沸き上がる。
そしてモチロン冷えないように布団を掛けた。
「まだ暑いよ…」
「ダぁメ。マジで風邪ひいたらどーすんの!」
頬を膨らます弘樹の髪を撫でて額にキスした。
「…ホント心配性っつかなんてゆーか…。」
「大事な弘樹を守るのが俺の使命だからな!」
胸を張って言うと何故か弘樹のテンションが下がって。
「そーゆーのを過保護って言うんだぞ?」
溜め息吐かれても…。
「これは俺の性分なんで…諦めろ。」
見下ろした弘樹が苦笑いをしながら俺の唇にキスしてくれる。
それは"Yes"って事だろうな…?
一人でニヤニヤしちまう。
あ…ヤな事思い出した。
「弘樹!そう言えばさっきの!」
「なに?」
「大葉か佐古の部屋に…なんて絶対すんなよ!」
キョトンとした顔がやんわりと溶けて。
「お前がちゃんとしてたら僕はどこにも行かないよ?」
イジワル気に笑う。
…はい。
ごもっともです。
「俺、絶対に浮気しないから大丈夫!」
フッと笑った弘樹が俺の腕を解いて掌を合わせ…小指を絡ませてきて。
「…信じてるよ。」
やんわりと笑ってキスしてきた。
―強気でワガママなお前に誓うよ。
「俺…弘樹を離さないからお前は…俺の側にいて?」
黙って頷く唇にもう一度キスして…強く抱き締めあった。
―END―
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