K I R I B A N
A
抵抗する楓をシカトで制服をひん剥いてく。
「佐古…!?」
「ウルセーっつの。」
溜め息と共に下着を脱がせ全裸にした小さな身体を姫抱っこする。
「わ…ちょっと、佐古!」
「お前が歩いたら俺の部屋が濡れるだろ!」
やっと意図を理解したのか楓が頬を赤くして俺の首に腕を回した。
そして…蚊のなくような小さな声で。
「佐古…ありがとね。」
そう言った。
俯いた楓の濡れた髪にキスしてバスルームのドアを開けて中に下ろす。
「熱めの湯、出してちゃんと温まれよ?」
「うん…ありがと。」
濡れた髪をグシャグシャとかき乱してドアを閉めた。
「さて…と。」
入口に脱ぎ捨てたアイツの制服を持ち上げるとボタボタと雫が落ちる。
「…このまま洗濯か。」
コンビニの袋を出して水浸しの一式を詰め込む。
それを片手に…取りあえずの着替えとして俺のシャツを出して着替えのカゴの中に入れる。
「楓!」
コンコンとドアを叩き少しだけ開けて。
「…なぁに?」
「取りあえず俺のシャツ着とけよ。」
「うん…ありがと。」
バスルームのドアを閉め鍵を持って部屋を後にする。
静かな階段を降り、寮の一階にあるランドリーブースの中へと足を進めた。
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