K I R I B A N
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「んで…お前はいつまでいるワケ?」
奥部屋に来た俺サマが、久遠から手渡されたブラックを飲みながら溜め息を吐いた。
「ショーガナイでしょ!まだ楓が…」
同時に、ケツポケットに入れた携帯がブルブルと震えて。
「おっ?可愛い西野からのメールか?」
ニヤッと笑った"あくま"
を軽く睨みながら携帯のフラップを開く。
『終わったよー!今からそっちに行きます!』
なんて…ハートマークが至る場所に。
アイツめ…恥ずかしいじゃねーかよ。
こっぱずかしくて…ついつい顔が熱くなる。
「佐古?顔、真っ赤だよ?」
不思議そうに首を傾げる久遠とは対照的に"あくま"が腹を抱えて笑って。
「ラブラブですなぁ佐古くん?ハート満載のメールをもらったとか?」
…チクショー…図星だ。
「…そう言う時だけ饒舌ですねぇ?」
悔しいからそう言い捨てる…が、一層笑いがデカくなるだけで。
「拓真…笑い過ぎ。」
呆れた顔した久遠を見つめて、やんわりと笑った
"あくま"が…その細い身体を抱き寄せて。
「お前も…たまにはそんなメールを送れよな。」
「な…無理!」
顔を真っ赤にした久遠のアゴに指を掛け上向かせると…またもや俺の目の前だってのにキス、しやがった。
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