K I R I B A N
D
「んで…お前はいつまでいるワケ?」

奥部屋に来た俺サマが、久遠から手渡されたブラックを飲みながら溜め息を吐いた。

「ショーガナイでしょ!まだ楓が…」

同時に、ケツポケットに入れた携帯がブルブルと震えて。

「おっ?可愛い西野からのメールか?」

ニヤッと笑った"あくま"
を軽く睨みながら携帯のフラップを開く。

『終わったよー!今からそっちに行きます!』

なんて…ハートマークが至る場所に。
アイツめ…恥ずかしいじゃねーかよ。

こっぱずかしくて…ついつい顔が熱くなる。

「佐古?顔、真っ赤だよ?」

不思議そうに首を傾げる久遠とは対照的に"あくま"が腹を抱えて笑って。

「ラブラブですなぁ佐古くん?ハート満載のメールをもらったとか?」

…チクショー…図星だ。

「…そう言う時だけ饒舌ですねぇ?」

悔しいからそう言い捨てる…が、一層笑いがデカくなるだけで。

「拓真…笑い過ぎ。」

呆れた顔した久遠を見つめて、やんわりと笑った
"あくま"が…その細い身体を抱き寄せて。

「お前も…たまにはそんなメールを送れよな。」

「な…無理!」

顔を真っ赤にした久遠のアゴに指を掛け上向かせると…またもや俺の目の前だってのにキス、しやがった。


[*←前n][次n→#]

6/9ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!