K I R I B A N
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HRが終わりみんな一斉に椅子を机に上げ始める。

これから教室の掃除が始まるんで当番じゃない俺はカバンを手に恋人の西野楓を振り返った。

「佐古ゴメン!僕、掃除当番だから…」

慌てた様子の楓に小さく笑って。

「廊下で待ってる。」

ほうきを持ってる姿も可愛いな…なんて思いつつカバンを小脇に抱えて廊下に出た。

…どんくらいかかんのかな?
しゃがんで携帯のフラップを開き、ヒマつぶしに液晶を見つめてる視界の隅に…見慣れた姿が写った。

「よぉ…。」

「こんなトコでどした?」

そこには…やんわりと笑って俺を見下ろす癒し系の姿。

「楓のヤツ、掃除当番だからまだ帰れねぇんだよ。」

チラと教室に視線を向けるとせっせと床を掃いてるアイツの姿が見える。

「お前は?」

上目遣いで久遠を見上げれば小首を傾げてニッコリ笑って。

「俺は購買。佐古もヒマなら来れば?お茶くらいならいれてやるよ?」

そう言われてちょっと悩む。
他のヤツラの話だと久遠のいれる飲み物はなかなか美味いらしいし。

「…行こうかな?」

「おいで?」

その場でメールを打って楓のアドレスに送信。
フラップを閉じて立ち上がり、携帯をケツポケットに入れた。


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