K I R I B A N
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晩ご飯を食べ終わり僕の楽しみにしてる時間がやってきた。
食堂から戻ってすぐテレビのスイッチを入れて…パジャマ代わりのスウェットに着替えてると。
「弘樹!弘樹ーっ!」
ドンドンとドアを叩く音と聞き慣れた声に溜め息を吐く。
渋々開けると…そこには満面の笑みを向ける僕のカレシが立ってた。
「一緒にK―1見よう!」
「…無理。」
「エェーッ!何で!?」
おおげさに驚くコイツにまた一つ溜め息。
「あのさぁ…何度も言うけど僕は格闘技、好きじゃないよ?」
「何で!あんなに強いのに!」
…強かった、の間違い。
もう柔道やめちゃったから普通の男子高校生なんです!
「とにかく。僕はこれからMステ見るから…ホレ、帰った帰った!」
シッシッと手で追っ払うのにその手をギュッと握られて。
「じゃー、Mステでいいから一緒に見よう?」
「はぁっ!?」
思わず声が裏返る。
「だって祐一郎…K―1見たいんじゃ?」
見上げた顔は逆にキョトンとして。
「んー、ビデオ予約してるし須藤さんがDVDにやいてくれるから平気!」
「…あっそ…。」
ドアに手を掛けたヤツがグイッと開けて。
「弘樹と一緒に見れるなら何でもいいよ。」
そう言って、やんわりと笑った。
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