K I R I B A N
C
僕を見下ろす祐一郎の瞳がやんわりと溶ける。
「可愛い…弘樹。」
言うのと同時に僕をお姫さま抱っこしベッドに下ろすとヤツが上にのし掛かってきた。
「なっ…オイ!」
両手首をグッと押さえられ唇が重なって…開いた隙間から滑り込んできた舌に自分のを絡めた。
ねっとりとした感触に…身体が震える。
祐一郎とするキス…大好きなんだ。
絡んだ舌が解かれ唇が離れて…名残惜しくて離れたヤツの唇に触れるだけのキスをした。
「あれは…ナンパだよ。」
そのセリフにせっかくの甘い雰囲気がブチ壊し!
「やっぱり…!」
「違うって!俺がナンパされたの!」
「…は?逆…ナン?」
唖然とする僕を見てヤツがククッと喉を鳴らして笑う。
「面白いからちょっと口説かれてみた。」
「…アホ。」
仏頂面する僕の額にキスして頬にキスして。
「俺が弘樹以外のヤツを相手にする訳ないでしょ?」
「…久遠は?」
「おぉっ!」
楽しげに笑うヤツを見ながら…溜め息を吐く。
僕の…勘違いだった訳だよね?
良かった。
すると。
首筋に柔らかな感触がして…キスされてる事に気付く。
「…祐一郎…?」
「んー…?」
生返事の祐一郎が、僕のシャツのボタンをゆっくりと外した。
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