K I R I B A N
D
「ごちそうさまでした!」
小さなテーブルに並べられたハンバーグと野菜サラダを山盛り平らげて、カーペットにゴロンと横になる。
「コラ…自分で食ったもんくらい自分で片付けろ。」
「はぁい。」
起き上がって茶碗とコンビニの箸を持ち先輩のいるシンクまで持って行く。
洗い物してる隣りに立って…さすがに悪いなと思い腕まくりをしてたらコメカミに軽くキスされた。
「な…」
「優太、水出して。」
「…ハイ。」
手際良く洗い物を済ましてコンビニの箸をゴミ箱に捨てながら、先輩が小さく…
「優太の箸、買うか。」
そう呟いた。
ドキドキして先輩を見上げると…優しい顔で笑って俺をギュッと抱き締めてくれる。
「…美味しかった…デス。」
緊張で声がうわずり先輩がプッと吹き出した。
「なら良かった。」
「…一樹。」
自然に口から出た先輩の名前。
やっと…ちゃんと呼べた気がする。
「なに…優太?」
「ありがと…。」
腕に力がこもり強く抱き締められて。
「優太が側にいてくれて…マジ嬉しい。ありがとな。」
柔らかで優しい声が身体中に染み渡る。
ホントに…先輩を好きになって良かった。
先輩と…両想いになれて…良かった。
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