K I R I B A N
J -弘樹SIDE-
部屋に乱入してきたのは…男三人。

ちょっと見、イイ線いってるけど…僕のアイツの足元にも及ばない。

「悪いようにはしないよ…ちょっとヤらしてくれればいいからさ。」

芹沢を後ろに庇い、ニヤける男を睨み付ける。

「オマエら程度のヤツにむざむざヤられるかっつの!」

啖呵を切った途端にヤツラの顔付きが変わった。
ギラギラした目で僕を睨み付け…本気モードになったみたいだ。

「可愛い顔して…言ってくれんな?」

「そうそう。俺の弘樹はチョー可愛いからな!」

聞き慣れた脳天気な声にホッと安堵の息を吐く。

一斉に振り返ったヤツラの後ろには…。

「弘樹!お待たせッ!」

最後にハートマークでも付きそうな祐一郎と仏頂面した大葉が立ってて。

「な…なんだよお前等!」

「テメェらこそ!人のモンにちょっかい出しやがって!」

途端に吹き出す祐一郎の黒いオーラ。
何度か見た事あるけど…普通の人が見たら相当恐いハズ。

後ろにいる大葉もまた、ムチャクチャ怒ってるみたい。

そして…それに気付いたお兄さん方は慌てふためいて部屋から飛び出して行った。

「弘樹!大丈夫?触られなかった!?」

近付いてきた祐一郎の胸に頬を寄せて…瞳を閉じた。


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