K I R I B A N
D -柊SIDE-
「だーッ弘樹はそっち!やっぱワンウォッシュだろ!」
試着室の前で芹とアレコレしてる姿を隣りの売り場から覗き見してる。
尻のちっちゃい弘樹はそっちがイイって!
ウンウンと頷く俺を横目で見ながら大葉が溜め息を吐いた。
「…なんだよ。」
「別に。」
呆れ顔にちょっとムッとしながら芹を指差して。
「なら…芹公はどっちが似合うと思う?」
「…う…。」
眉間にシワを寄せ低く唸る大葉を見ながら声を抑えて笑う。
それしきの質問で熱くなるなよ。
「イザって時の為にイメトレしとくんだよ!分かったか?」
「…濃紺かな?」
「あ"?」
…コイツもある意味、天然かと思う時がある。
ボスとは比べらんねー程頭カタイからか?
時代錯誤っつーか…なんつーか?
「…あ、久遠!」
「えッ!ヒメ!?」
レジに入ったヒメが二人と話しながらやんわりと笑ってる。
「弘樹とヒメのツーショット…たまんね。」
「…お前、本当に無節操だな?」
そう言い放つ大葉を睨み付けて。
「あ、芹とツーショットだぞ!」
「何っ!?」
まんまと騙された大葉をせせら笑いながらレジを見た。
すると…
いつの間にかヒメの隣りに並んだボスに…睨み付けられた。
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