K I R I B A N
D
「俺…こう見えてもかなり嫉妬深いんだよ。」
おもむろにそう告げる唇を見上げる。
嫉妬深い?佐古が?
しないの間違いじゃなくて?
いぶかしんで見上げた顔はいつになく真剣で…。
一度視線を逸らし、また僕を真っ直ぐ見つめ…ゆっくりと口を開く。
「他の奴らと付き合わなくなったらお前としか接さなくなるだろ?…自分で言うのも何だが俺の束縛、かなりキツいぜ?」
そうしたくなくて…他の人達と遊んでばかりいたの?
僕を…縛り付けたくなくて?
勝手にそう解釈して素直に喜んでも…いいんだろうか?
戸惑ってる僕を見下ろす佐古が、触れるだけのキスを唇に落として口の端を上げた。
「それでもイイって覚悟があるなら…お前を置いて遊びに行かない。」
「…ホント?」
「二言はねぇ。」
身体に回されてた腕が外れ何だか急に淋しくなり…それはまるで…今の僕の心を表してるみたいで。
考える必要なんてない!
嫉妬深いのも束縛したい気持ちも…僕も同じだから。
「いい。」
「…ん?」
「僕…佐古が好きだから束縛して欲しいし…ヤキモチだって焼いて欲しい。」
そうか…と小さく呟いた佐古が僕の唇にキスして…。
「後悔…すんなよ?」
そう言って…笑った。
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