愛のカタチ/1.5
J

トイレの前で抱き合いラヴラヴなごめんねをして…少し濃いめのチューをした。

そして俺達は何事もなかったみたく自然に手を繋いで、荷物を置いたままの教室に向かって歩き出した。
俺が篭城してる間に下校時間はとっくに過ぎててあちこちの電気が消されてるから校内はほとんど真っ暗に近い。

「夜の学校ってなんか出そうで怖いよね?」

歩きながらそう言うと俺の手を握ってた大きな手にギュッと力がこもって。

「大丈夫だ。」

そう静かに言ってから大葉は優しく笑った。

「大丈夫って…?」

聞き返しても俺の恋人はただ黙って微笑むだけ。


一体何がどう大丈夫?


『大丈夫だ』の意味はイマイチ良く分かんないけど…大葉が大丈夫っていうからきっと大丈夫なんだろな。
そんな風に思って安心してたら…大葉が急に。

「そう言えば芹、さっき『ちょっと時間頂戴』と言ってたな?どういう事だったんだ?」

なんて言い始めて…。
俺は苦笑いをそっちに向けると最近で最大の悩み事を当の本人に打ち明けた。

「俺…大葉がエッチしたくなるような俺になりたかったんだ!」

なんの前触れもなくそう言っちゃってからまたもや意味が伝わらない事に気付いて。

「あ、その…あのね…二年になってクラス分かれるから頻繁に会えなくなるじゃない?だから俺、会う度大葉が俺とエッチしたくなるような、そうゆー可愛い俺になりたかったんだ!」

そう言った俺を見つめたまま大葉は何度かまばたきを繰り返した。


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