愛のカタチ/1.5
‐夢から覚めて
熱いナカをもっと熱い大葉が何度も突き上げる。
初めて知った…普通じゃ味わえない快感。
息も絶え絶えで…それでも必死にしがみついて。
「りょ、…っ、あ!」
「ん…たいち…っ」
身体の奥のもっともっと深い場所で繋がる。
このまま…二人溶けあっちゃえばいいのに。
このまま…ひとつになっちゃえばいいのに。
そんなドロドロとした気持ちに支配される。
「好きだ、たいち…」
だけど…そんな思いはすぐに大葉の愛でかき消される。
溶け合わなくても、ひとつにならなくても俺達はずっと一緒だから。
それを…大葉が教えてくれたから。
「あッ、り…ょう!」
「…くっ…」
抱き締め合った身体を更にキツく寄せ合い、俺達は同時にイッた。
◇◆◇◆◇
あれからもう一回シて、俺の身体をキレイにしてくれた後すぐに大葉は眠ってしまった。
よっぽど疲れてたのか腕の中の俺がちょっと動いても起きる気配は全くない。
まあ元々眠りは深い人だからしょうがないか。
それでもゴソゴソ動いてると…俺を抱き締めてくれてる腕にグッと力がこもる。
それが嬉しくて…意味もなく動いてみたりした。
「…う。」
さすがに動き過ぎたのか何度目かのゴソゴソで、眠っていた大葉がだるそうに目を開けて…。
「…幸せだ。」
…って…?
「え…?」
キョトンとする俺を優しい…柔らかい瞳で見つめて。
「目が覚めた時…一番始めに見るのが芹だと嬉しい。」
「…え。」
…それって。
「俺の事を…見ててくれたのか?」
「う、…うん。」
眠ってる顔をガン見してました、みたいに取られちゃうんじゃないかって…不安になりながらも頷いた。
―すると。
「ありがとう。」
そう言って…優しく抱き締めてくれた。
【朝、目が覚めて一番に映るのが大好きな人の姿だったら…そんなに嬉しい事はない。】
【ましてやその人が自分より先に目覚めてて優しく見つめてくれてて。それがこの先もずっとずっと続くのなら…きっと、多分、ゼッタイにシぬまで幸せな気持ちでいられる。】
秦修司に言った言葉をプレイバック。
大葉の今の言葉は…俺が思ってたのと同じで。
俺は…。
「俺も同じ事思ってるんだよ?」
ドキドキが口から飛び出さないよう抑えながらそう告げる。
すると…
一層優しく笑った大葉が口に添えてる手の甲にそっとキスをして。
「そうか。嬉しいよ。」
ギュッと抱き締めてくれた。
俺が欲しかった物は…
この人。
今までも…これから先もずっと欲しいのは大葉だけだよ。
涙が溢れてしゃべれなくなった俺を…大葉は優しくいつまでも抱き締めてくれていた。
―END―
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