愛のカタチ/1.5
L

「えっ?じゃあ西野はずっと僕と祐一郎が別れたと思ってたの!?」

大きな目を更にまん丸くする春日部に苦笑いしながら一度だけ頷いた。

久し振りにみんなが集まっての、どのくらいか振りの久遠お手製の美味しいランチ。
そのおかずは…僕だけが知らなかったというオチの柊と春日部の今の生活について、なんだけど。

「ラヴラヴな俺達にそんな事あるわきゃねーだろうが!」

「柊が愛想尽かされる以外にはあり得ないだろうな。」

お膳の前であぐらをかいてる柊に大葉の鋭いツッコミ。
冷静になれば…僕にだってそのくらいの事は分かるんだけど。

…そんな事を思ってまた苦笑い。

「でもなんで佐古にだけだったの?…って言っても俺も拓真伝いに聞いたんだけどね。」

三度目のおかわり用の大皿大盛りチャーハンをお膳に置いた久遠が柊達にそう言うと、二人はいつもと変わらぬナイスなテンポで。

「僕は祐一郎が話すと思ったから。」
「俺は佐古が言うと思ったから。」

そう言って二人して佐古を見た。
つられてみんなが一斉に佐古を見ると…当の本人は"心外"って顔して。

「…別に他意はないぞ。キレイさっぱり忘れてただけだ。」

ちょっとムッとしたような顔で手にしたチャーハンを口に運んで…動きがピタリと止まった。

「あれ…ちょっと待て。って事は…楓?」

眉をグッと寄せた佐古の矛先が僕の方に向く。

「もしかしてお前…俺が『同じ道を辿る』って言ったのを『いつかは別れる』…って解析したんじゃないか?」

ドキッ!

まさしくその通りな事を言い当てられ僕の心臓は大きく跳ね上がった。
…っていうか…なんで分かったんだろ??

返事を出来ずただ苦笑いしてる僕を見て…佐古が大きな大きな溜め息を吐いた。


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あきゅろす。
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