愛のカタチ/1.5
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ほんのりと温かい布団の中で寝返りを打ち…そっと右手を伸ばす。
その指先は…何に触れる事もなく冷たいシーツの上に落ちた。
「…冷たい…」
溜め息を吐き腕を元の場所まで戻し自分で自分を抱き締める。
いつもなら…こんな風に縮こまる僕を引き寄せて抱き締めてくれるヤツがいるのに。
閉じていたまぶたを開き枕元にたたんでおいたフリースをはおって起き上がる。
真っ直ぐ向かった窓際の厚手のカーテンを少しだけ開けて外を見た。
「…ゆう…」
視界には僕の祐一郎の実家があり、今いるこの部屋の真っ正面が丁度アイツの部屋。
真っ暗な窓をジッと見てれば…イキナリ電気が点いて窓が開き、夜中だってのに僕に向かって大声で…。
『行くから待ってて!』
…そんな風に言ってくれるような気がして…僕はカーテンを締める事が出来なかった。
◇◆◇◆◇
それから…どのくらい経ったのか。
「…っくしゅん!」
くしゃみと共に身体が震えいつまでも開かない窓を振り返らずカーテンを締めた。
…いないのなんて分かってるのに。
変に期待してしまってる自分に苦笑いが出る。
「…寝よ。」
布団に戻り足を入れるとその冷たさで指先がジンとした。
体温の低い僕が必死に温めた布団が冷えるのはホンの一瞬。
こんな時だから…じゃないけど、僕の大事な恋人の温もりが欲しくて堪らない。
今すぐ会って…キスして抱き合って。
凍える身体を温めて欲しいんだ。
「…会いたいよ…。」
冷たい身体を自分の掌との摩擦で温めながら呟き…アイツの声と優しい顔を思い浮かべながら僕はまた瞳を閉じた。
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