愛のカタチ/1.5
‐シアワセ。
…イテェ。
なんだ…?
アチコチ痛ぇ。
顔は痛ぇし…頭も痛ぇ。
背中も肩も…ケツも痛ぇよ…?
ジワジワと…色んな事を思い出し焦って飛び起きた。
「イッ…でぇぇぇぇ!」
「ゆう!?」
身体中の痛みにそのままヘタリ込む俺を…細い腕がやんわりと抱き締めてくれた。
「…弘樹…?」
顔を上げた先には…いつもと変わらぬ、イヤいつもより柔らかな弘樹の笑顔があって…全てが終わった事を感じた。
「…今、何時?」
「深夜。」
ギュッと抱き着く華奢な身体を抱き締めて…頬にキスをした。
「ゆう…。」
「…ん?」
腕の中の愛しい人が…溢れんばかりの笑みを俺に向けて。
「…ムチャすんなっていつも言ってるだろ!」
プンプンと怒りだした。
全く…。
こんな時にも俺の恋人は素直じゃない。
そこがまた…可愛いんだけどね。
ギュッと抱き締めて額にキスをする。
…と、俺の頬を両掌で包み込んだ弘樹が唇にキスをしてくれて…。
「…ありがとう。」
そう言ってまたキスをくれた。
素直じゃない弘樹の…いつになく素直な言葉に頬が緩む。
「弘樹…好きだよ。」
唇を重ねて髪を撫で…熱くなってる頬を掌で包んでまたキスをして…ゆっくりと布団の上に押し倒した。
…と。
「イダダ…!」
…身体中が…激しく痛んだ。
「無理すんなって!」
「無理もしたくなる!」
布団に横たわる愛しい弘樹を見下ろし唇にキスをして。
「こんな晴れやかな笑顔みたら…抱きたくなるのはトーゼンでしょ?」
ニンマリと笑う俺を真っ赤な顔で見上げる弘樹は…笑い方まで違う気がする。
それは惚れた俺のヒイキ目なんだろうか?
「僕ね…今日程お前を好きになって良かったって思った事はないよ。」
そう語る可愛い唇にキスをする。
「…そうなの?」
「うん…いつも心のどこかにシコリみたいなのがあってね…」
「…うん。」
細い首筋に唇を寄せる。
「ん…でも今は…素直に笑えるし…なにより、気持ちが軽くなった…」
「そうか…良かった。」
見下ろした弘樹の頬がカッと赤くなって。
「素直にちゃんと…『祐一郎が好き』…って言える自分が…嬉しい。」
ほころぶような弘樹の笑顔は…やっぱりどこか晴れ晴れとしていて。
こんな俺でも…弘樹の為になんかできたんだろうな…って思ったらとにかく嬉しかった。
「ゆう…ありがとう。」
「『ありがとう』より…『愛してる』って言ってよ。」
カッと赤くなる頬に唇を寄せる。
「……愛してるよ…祐一郎…。」
俺の唇にキスをし返し…やんわりと笑う弘樹はいつもより断然キレイだ。
「愛してる…ゆう。僕はもう…お前なしじゃダメみたいだよ。」
ギュッと抱き着く愛しい恋人を同じくらい…いやそれ以上に強く抱き締めて。
「これからは…今よりもっと幸せになろう?」
「…うん。」
「愛してるよ…弘樹。これからもずっと…一緒に生きてこ?」
「…うん。」
「一緒に…幸せになろうね?」
「…うん!」
はにかんだ弘樹の唇にキスをして…キツく抱き締め合う。
今まで流してきた涙の分だけ幸せになろう。
弘樹には…その権利があるから。
俺は…俺の全てをかけて弘樹を幸せにする。
そう決めた日からずっと揺るがない熱い思いを胸に秘め…愛しい恋人を強く抱き、甘い甘い口付けを交わした。
―END―
[*←前n][次n→#]
無料HPエムペ!