偽りのお菓子
偽りのお菓子



チョコレート。
熱を加えればそれは甘く溶け朽ちて。
冷たくすればそれは痛く刃とかす。

部員全員のお菓子を作り終えて一息。私はその充実感に微笑んでいた。だが、他とラッピングも中身も違う異質なモノを見てその満たされていた心が一気に冷えた。

誰のために作ったの?

誰にあげるつもりなのよ。

眉間にシワが寄っていたことにさえ気付かずに、ただ一つを凝視していた。こんなものは所詮イミテーション。飾り立てられたフェイク。私には本物を作ることが出来ない。

私は全てを知っていて、知らぬ振りをした。それがとても卑怯で臆病な行為であってもそうする他に、私は私を保つ術がなかった。

fin.

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070309.



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