まだリタイヤなんてしないでしょうに

腐れてる。

そう思った。

屋上のドアを開けた。

そこに鍵がかかってない理由をもう知っていた。青空に向かって突き上げる金髪の後ろ姿。

お尻りから黒くて尖った尻尾が生えてる。

ように見えた。

腕が小刻みに動いているのは、あの長い指がキーボードを叩いてるから。そんなことも解る自分に嫌気がさす。

勝手なんだ。

やることなすこと、身勝手すぎる。唯我独尊とでも言うのか。在る意味男はとてもマイペースだ。でも、この男のそうゆう所に惚れたのかと思うと溜め息しか出ない。

また、授業サボって。

ついそう、口を酸っぱくして言いそうになったのを堪える。

「ヒル魔くん」
「何だ、糞風紀委員」

こちらを振り返らない。でも、私だと解る男が凄く腹立たしい。

「そんな言い方はないんじゃない?」
「ナンデショウカ?糞優等生サン」

説教をしに来た訳ではない。だが、言い種に棘を感じてしまう事は仕方ないと思って欲しい。誰のせいで此処まで来たのか少しは考えてくれてもいいではないのか。

不満だった。

先生は何故私と彼が親しいなどと勘違いを興すのだろうか。ましてや私の言葉なら彼に通じるなど、お門違いもいいとこだ。もし、私の言葉が彼に届くならこんなに苦労することはない。何故なら、そうなれば彼は此処には居ないから。だが、それでは蛭魔くんではないではないか?驕慢がある。

「先生が、早く来いって言ったわ」
「へぇ〜」

変わらない返事。

「ヒル魔くん、進路相談室に行って。大事なものなのよ?」
「あぁ〜」

私は知ってるのだ。
彼を、世界と言うフィールドに意図も簡単に羽ばたける。だから、余した力を勿体無いと心底思う。こんな所で羽根を休ませて欲しくない。それが、彼と離れてしまう結果になったとしても後悔なんてしない。

「腐ってるね」

もう、遠慮はしない。休ませる暇など与えてはあげない。

「フッ」

もっと、もっとと願うから。鼻で笑った男に絶大な夢を叩き付ける。

「腐れてると嫌いになるわよ?」

男の動きが止まる。
確信がある。
男は私に愛を囁く。
すかさず、次の言葉は決まってる。

「愛してんぜ」
「リタイア?」

そうかもな。そんな台詞が聞こえて来ても、諦めてなんかあげない。クスリと緩やかに笑い私は言った。

「まだリタイアなんてしないでしょうに」

捨て台詞、フィールドを羽ばたけ私の悪魔。

fin.

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070409.



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