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1.31/苺様


 kiss/記憶喪失リク話に感想有難う御座います
ぬぁっ!??Σ(゚щ゚゙;) 泣いて下さったんですか!? えーと、えーとえーと………、ポケット探ったら、ハンカチじゃなくヘアピンが出てきました(・ω・)/ ぇえええ…。


 記憶喪失リクは、どうしても本編の闇的部分を入れたくてですね、2人にすれ違いandぐるぐるandもだもだしてもらいました。
“ あなた ”の情けなさ全開☆ ←

 多分、kissの2人は精神面では“僕”のが強いんじゃないかと。(“あなた”の為なら何だって的な)
記憶をなくしたのが“あなた”の方だったら、こんな話になってないですな。


 ↓ は、IF:記憶喪失“あなた”ver.
 バッド系なので、見ない方が幸せやもしれませ…(^_^;) 長いし。
 投擲準備して、どぞ。

―――


 「あれ、君………誰だっけ…?」


 ――あの日、僕の世界が崩壊した瞬間を。僕は決して忘れない。

 その日生み出された秘密も。

*******


『彼の中に、君の記憶だけが無い』

 あの日の医務の先生の声が、今も耳から離れない。ワザと抑揚をなくしたような、…チラリと僕を見た瞳は、どんな色をしていただろうか。気遣うように髪を撫でられると、脳が揺らされて。ああ、不協和音。
目の先に映った医務室の扉が、その中にいるであろう あなたが、やけに遠く思えたのだけは鮮明に覚えている。

 4日経った今も。


「なあなあ、」
 僕へと振り向いた あなたの澄んだ瞳も、良く通る声も、こちらを見やる仕草だって今までと全く同じなのに、その心の中に僕はいないのだ。
「なんですか?」
 ああ。僕の声は震えてはいないだろうか。

「あ、また敬語! クラスメイトなんだからタメで良いって。他の皆にはタメ口だろ?」
「ご、めんなさい」
 今までずっとしていた言葉使いを直すのは中々難しい。自分でも不自然だと分かっているから、焦ってまた敬語が飛び出る。
 駄目だ。

 ――…もう僕とあなたは、只のクラスメイトなんだから。

 心にヒヤリとした物が突き刺さった。


「またー。別に無理にとは言わないけどさー。寂しいじゃん」
「…ご、めん」
 ああ、ああ。記憶を無くす前のあなたとも、こんな会話をした。あれは、いつだったか。

『――あ、また敬語! タメで良いって。クラスの奴等にはタメじゃん』
 そう言ったあなたは唇を尖らせて。柔らかな日溜まりが僕等を包んでいた。幸せな、日々。僕の記憶。

『うう…、ごめんなさい。癖で…』
『まぁ良いけどね。余裕なくなって、敬語使えなくなる瞬間が可愛いし』
『え…?』

『ははっ。愛の、営み中っ(コソッ)』

『っ! な、』
『…うん。そんなん見れるの恋人の特権だしな。いつもは敬語で良いや!』

 ――なんて事を言うのだと、真っ赤になった僕を見て、あなたは笑って手を繋いでくれた。…その暖かささえ、僕の記憶は覚えているというのに。
「どした?」
同じ暖かさを持つあなたは、それを覚えていない。世界は壊れてしまった。

「何でもないで…、ないよ」
「そかぁ? てか、無理してタメにしなくても良いって。自然にな? 次、移動教室だってよ。行こうぜ?」
「は…、うん。………あれ? 待っててくれたんですか? 先に行ってくれても良かったのに」
 物思いに沈んでいる間にクラスの皆は既に教室を出ていて、残っているのは僕等だけだった。
記憶がない筈のあなたが僕を待っていたのが不思議で、頑張っていたタメ口も忘れて首を傾げると、ハァーッと重い溜息を吐かれた後、ジロリとこちらを睨まれた。…敬語に戻ったから、じゃ、ない、よね…?

「えと? あの…、」
「おっっ前、無防備すぎっ」
「は…痛っ!?」
 内心アワアワしていると、言葉と同時におでこを突かれた。加減はしてくれたみたいだけど、少し痛い。
「くそー、自覚ないんだろうなぁ。怖ぇ」
「??」
「……ま、良いか。俺が見とけば」
「???」
 僕には理解できない事を呟いたあなたは、1人うんうんと頷いて、戸惑う僕の手首を取った。

「…、え!?」

「ほれ行くぞー。授業遅れる」
「は…、あの…え!? なんで手を…っ」
「あ、わり。嫌だった?」

「嫌…というか…」
 何だ、この展開は。あなたの中に僕はいないんじゃないのか。なのになんで、こんな事に。
 繋がる手の暖かさは記憶と重なるのに、僕を振り返る瞳の持つ色は違う。
 なのになんで。


「ごめんな。あんまり君が、………あー…。んーと、俺が、1人じゃ寂しくて」

 ――ああ。なんで、その瞳の奥にある思いが、僕には分かるんでしょうか。

「だからさ、一緒に行こうよ」
 この学園の中における僕の外見の危なさを思って、あなたは教室で僕を待っていてくれたんですね。
僕を傷付けないよう、それを指摘せずに。



 ――…僕の世界は壊れてしまったけれど、あなたは変わらない。優しい心も、暖かい体温も、声音も瞳も。

 なら、それで充分だ。

 あなたが失った記憶は、僕だけの秘密になった。恋人の僕だけが知る事の出来た、あなたの顔。

 時折覗いて涙を零そう。
 あなたにバレる事がないように。


『――彼は今、非常にアンバランスな場所に立っている。』

 医務の先生の声が蘇る。

『何が引き金で記憶が戻るか分からない。もしかしたら、その引き金が、今度は彼を根底から壊すかもしれない』


 そんな事させない。

 クラスの皆に話して、今までの僕らの関係は黙ってもらった。親衛隊も抜けた。皆のネットワークを使って、あなたに記憶が戻らないよう動いてもらっている。

 もう世界が壊れた事を知るのは、僕だけ。僕(とあなた)の秘密。


( ずっとずっと、好きです )


 言えない言葉の代わりに、

「ありがとう」
と前を行く背中に呟いた。



「お、タメ口!」
 振り返り、細まった瞳が愛しい。

( …好き )
 涙が零そうになって、照れたフリして俯いた。

―――

 こんな感じなend…?
ぎゃあ! 石投げるのはお止めになって(;´xдx)ノ

 こんなの書いてスミマセン(滝汗)
記憶を失ったのが僕で良かったという事で。

コメントありがとうございました 

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あきゅろす。
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