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「…では夕食が済んだところで、今から始める訓練内容を説明します」
「つまり肝だめし肝だめし〜♪」
「シュラさん……勤務中です」
「つかその女18歳や言うてなかったか!?未成年やろ!」
「18歳?何をバカな事を、この人は今年でにじゅうろ…」
「んにゃー手がすべった〜」
「…おい…仕事をしろよ…」
「………」
「ッ!えーでは…説明します、これから皆さんにはこの拠点から四方散り散りに出発してもらいこの森の何処かにある提灯に火を点けて戻ってきてもらいます、3日間の合宿期間内に提灯を点けて無事戻ってきた人全員に実戦任務の参加資格を与えます……ただし提灯は3つしかありません、置かれている場所は拠点の中心から半径500m先の何処か、とだけ教えておきます…つまり実戦任務の参加資格は“3枠”しかないということになります」
「そ…それって…!」
「続いて、先程配ったショルダーバッグの中身を説明します、3日間分の水と食糧、寝袋、タオル、ティッシュペーパー等、生活用品とコンパス、夜間移動用のハンドライト、魔除けの花火、マッチがそれぞれ1つずつ入っているはずです、昼間にも言いましたがこの森は夜間、下級悪魔の巣になっていり、今の皆さんの実力だとギリギリ切り抜けられるかどうかといったところでしょう、危ないと感じたらこの魔除けの花火を即使って下さい、2分以内には僕か霧隠先生、今はいませんがヒルドールさんが回収に向かいます」
「マッチが1本だけというのは…」
「つまり花火に使えば提灯に火を点けられません、使う時はよく考えて使いましょう…更に提灯は特殊に出来ていて火を点ければ拠点からすぐ判るようになっています、拠点近くまで来てから点けた場合、失格、途中で消えてしまった場合も失格、花火を使ったギブアップももちろん失格、各自が自分の能力を最大限に使うことを考えるのがクリアへの一番の近道です!さて何か質問は?」
「え…と?つまり…森のどっかにある…」
「あのー…クラリエさんは今どちらに?」
「彼女なら森の中で任務中です」

清々しいまでの笑顔だった



その頃一方
森の中

「………暇だわ…」



それぞれ配られたショルダーバッグの中身を確認し終え、定位置に着き始める

「この訓練完全にお互い奪い合うように仕組まれとる、だけど奪い合い始めたら多分全員自滅や、この任務とにかく自分自身が取ることだけ考えるのが正解やな!助け合いもナシや!」
「何があってもウラミっこなしですね」
「そうね、どうやっても枠は3つしかないんだもの、むしろせいせいするわ」

陣の中央で燃え盛る焚き火が辺りの木々を照らし、塾生達の背中を見送る

「では、位置について…よーい」

銃声が空を裂く



その頃の森の中

「あら、こんな所にもいるのね、ニンフ…じゃなくてドリアード、だったかしら?」
『あんなのと』『一緒にされたら』『かなわないわ』
「違うの?裏山のニンフと北海道とかいう地区のニンフしか知らないから」
『祓魔師共は』『森精(オレアード)』『なんて』『呼ぶわね』
「…一斉に喋るから木霊みたいだわ、メフィストにもらった映画とかいうアニメに出てきた」
『失礼ね』
「………暇だわ」
『迷子に』『なってみる?』『いい退屈』『しのぎに』『なるわよ?』
「あー姦しい、木精の方がまだ静かでマシだったわ………ん?うわっ、待って!話し合いましょう!女神の眷属と殺り合う気はなくってよ!」






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