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アマイモンと対峙した建物が目的地だと気づくと、無性にやるせない気持ちになったが、渋々買い物を済ませて適当な扉から理事長室へと戻った

「おかえりなさい、どうかしましたか?しかめっ面で…」
「貴方の弟に会ったわ」
「え」
「………」
「………」

何だ、今のは

「“え”?」
「え?」
「えって何よ、予想外、って風でもないわね、どういう意味?」
「え、あの…いやぁ…」
「メフィスト、私の右腕ね貴方の弟のせいでボロボロになっちゃったの、治ったけど」
「治ったのなら良かったですね」
「………」
「………はいはいすみませんねえ」

謝ってはいるものの、どこか人を小馬鹿にしたような態度を取ったので思いきり睨んでやると漸く白状した

何でも、先日弟に会った際、私の話をしたら存外興味を持ったらしい
今日買い物を頼んだのも、本来なら弟の暴力性を考えれば行かせるべきではなかったのだが、どうしても甘味が食べたかったが為に

「私は痛い思いをしたと」
「そうなりますね」
「メフィスト、私あんまりこういう事は口にしない主義なんだけど」
「何です?」
「死ね」
「辛辣ですね、怖い怖い」

そう言いながら、豪勢な椅子から腰を上げ、クラリエの傍に立つと珍しく優しい手つきで頭を撫でられた
普段なら髪が乱れる程に豪快に撫でられるのだが、今日は違う

「…こんなのじゃ許さないわよ、私がどれだけ痛かったか…服だってほら、切り落としたから…少しだけ気に入ってたのに」
「本当にすみません」
「……まあ、分かればいいのよ…」

最後に頬へと口付けられたので、今度は本格的に不安になった

「メ…!メフィストが気持ち悪い!」
「失敬な!私なりの謝罪の気持ちをですね…!」

逃げるようにその場を後にして、与えられた部屋へと駆け込む

ベッドへと倒れるように横になって呟いた

「まあ、こんな日もたまにはいいかもしれない」

痛いのはごめんだが






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