[携帯モード] [URL送信]

現と機械と和と
[変わらぬ日常]



近未来的な日本が舞台の世界

だが、車が空を飛ぶ事もないし完璧なる人工知能を持つロボットもできてはいない

ただ、医療やエコロジー、バイオテクノロジー、化学、工学、その他諸々の水準が上がったにすぎない

いまだに戦争は絶えないし、発展途上国では難民やスラムの人たちは溢れるほどいる

そのために、兵器や兵士を作る技術も上がってきている

国際化が発展しすぎて、ほとんどの人が混血である

あるとき、日本の世界的科学水準が爆発的に上がったため、少子化で人口が激減した日本人の血が貴重になった

そのために各国で日本人の血をなんとしても研究して、クローンをつくろうとしたり、実験体にされたりと、裏で卑劣な事を日本人はされていた

政府はお金の周りがとてつもなく良くなったので、それを見てみぬふりをしていた

ここ、日本は外国風な建物が建てられているが、逆に昔の日本家屋も立てられていて、今から見ると不可思議な町並みになってしまっている

それが<今>の普通である





「ちっ。どこに隠れているんだ。」

狭く薄汚れた路地裏に灰色の髪を持つ長身の男が不機嫌そうに立っていた。

「おい、まだ居場所が特定できないのかよ?」

自分の耳に付けている小型のマイクに不満をぶつける。
すると、少女のような、しかし、やけに落ち着いている声がイヤホンから聞こえてきた。

『発信機を付けてないようだから特定は難しい。だが、その辺りに生物反応がある。』

すると、男は左手にある道のほうを見つめた。
            
ある一通りの路地の奥から何かが動き、遠ざかっていく音がした。

「噂をすれば!俺の足に勝てると思っているのかよ!」

音が聞こえた通りに向かって走り出した。器用に障害物をよけながら加速していく。
そして全速力で逃げ出した相手を軽々と捕まえてしまった。

「よし、子猫ちゃん回収完了!」

 なぁ〜お 、と男の腕の中で、これまた不機嫌そうな声で爪を立てている。
しかし、猫にしては大きく、耳や尻尾は犬のようになっている。

『何が子猫ちゃんだ。そうだ、帰りに和菓子でも買って来てくれ。いつもの日和屋でな。』

「・・・ったく。わかったよ。」

男はベルトに付けていた折りたたみ式の籠をとり、この猫らしき動物をその中に入れた。

こうして、静かになった路地を後に、賑やかな大通りへと向かった。




[次へ#]

1/2ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!