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うみねこ二次(短編)
(エリカ)推理の唄 底無し沼
「私の駒としてせいぜい頑張りなさい」
初めてこの立場となった時は、我が主に対して恩義を返すためと行き込んでいた。
だが、それは間違いであった。いや、私の気持ちは確かであった…しかし我が主への恩義、それはどれだけもがこうと返したと認められるものでなかった。
「役に立たなかったら忘却の彼方に飛ばすわよ」
あの顔を忘れない。私をただの道具としてでしか見ていないあの顔を…絶対に忘れてなどやるものか。
しかし、やり返すことなど出来るはずなどない。私と我が主では赤子と大人ほど力の差がある。
だから、一心不乱に頑張るのだ。認めさせるのだ…アイツと、同等になってやるのだ。
「あなたを魔女に認めるわ」
だから、それを言われた時に何よりも嬉しかった。悔しいが、駒として頑張った時間が、マンザラでない錯覚が起きた。
だというのに…
「あなたを黄金の魔術師と認めるわ」
それは三日天下で終わった。あの憎たらしい男が、能無しのクズが、あろうことか私から努力の成果を奪い去った。
憎かった。その場でくびり殺してやりたかった。けれど許されない。この世界では青き楔と赤き剣でなければ傷つけることは許されない。
憎らしい
憎らしい
憎らしい!
「あなたと私は永遠に一緒ですよ」
だから私は屈服させた。青と赤で、あのゲロカスを無限の牢獄にぶちこんでやった。
指輪はその証だった。
あぁ、これだけの愉悦感、なんと気持ち良い。
愛らしい
愛おしい
狂おしい
皆が祝福する中での指輪交換に、私は最上の快感を味わっていた。
だというのに…
「きゃーっはっはっは!!黄金の魔女様の復活だぁ!」
何故私には邪魔が入るの?何故あのクズには助けが来る、我が主には被害が出ない…何故、何故、何故。
自問自答の中で、私は答えを見いだせない。
そして、負けた。
「最後に名乗っておきます」
もう、どうでもいい。私は充分に頑張った。
だから、私は諦める。全てを受け入れる。
「私はーーーー」
六軒島の18人目の登場人物。でももう、疲れた。

楽しき推理の日々に。共にいるはずであったあの男に。

私はやはりニンゲンで、最後に願うのです。

「「お前を入れて、17人だ」」

ねぇ戦人さん。

好きです。

だから

殺してください。



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あきゅろす。
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