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並盛の街をバタバタと走る少女が一人―――。
黒髪をポニーテールした少女は必死に走っていた。
今日は彼女の大好きな人伝てで知り合った大切な友達との約束の日。
寄りにも寄ってその日に遅刻しそうになっているのだ。
彼女は必死に走った。
いまだ彼女はこれから起こる己の不幸を知らない。
並盛に程近い空港に一人の男が降り立った。
全身黒い服にブーツ、そしてキラキラ輝く金髪の上には輝くティアラ。
少年はゲートを通過すると辺りをキョロキョロ見回し、入り口に黒いリムジンが停まっているのを確認し、そちらに足を向けた。
彼が乗ったことを確認すると運転手がスムーズに車を走らせる。
段々と見なれた景色に彼の口角がニヤリと上がった。
彼は知らない。
これからの己の不運、かつ幸運に。
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