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ボンゴレ独立暗殺部隊ヴァリアー。

そのボスであるザンザスには良くいえば気が合う、悪くいえば天敵な相手がいた。





「ふざっけんなーーーー!」






今現在、ザンザスの部屋にて彼の机を投げ飛ばした女性―――由紀、その人である。







似た者同士は犬も喰わない






「……貴様、人の机に何しやがる」

地を這うような低い声を出し、顳かみに怒りマークのこの男はこの部屋の主―――ザンザス。

彼が革張りの高級な椅子に背凭れながらジロリと由紀を睨み付けた。






彼の目の前にあったはずの机は無惨にも壁にぶつかり藻屑と化した。

成人男性でも持ち上げるのに数人がかりの机を、だ。

その上に置いてあった最高級のワインの入ったグラスも粉々に粉砕されている。

当の人物、由紀はゼーゼーいいながらもキッと振り返り、ザンザスの胸倉を掴み睨み付けた。

「だって可笑しいでしょ?『君のそういう強気なところが好きだよ』なんて云って告白してきたクセに『君のそういう気の強いところが合わない』なんて、そんな自分勝手な言い分ある?たった一ヶ月よ?たった一ヶ月であたしの何が分かるっていうのよぉぉおおおーーー!」

ユサユサと揺すり悔しさを全開に出す由紀に、ザンザスは眉間に皺を寄せるに留まった。


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