01
とても退屈な日常だった。
ボクはある程度のことなら大抵こなす事が出来るし、正直望んだものも大抵手に入る。
偶に思う通りにならない事があっても時間をかけずに陥落させ、ボクの目の前から排除される。
簡単すぎて物足りない日々―――
何の刺激も興味もない惰性的な日々に膿んでいたボクに、新しいゲームが現れた。
それが、あの能力。
最初は己の特殊な能力を確認するのが楽しくて、まるでゲームを攻略するかのようにボクが存在する世界を全てボク色に変えた。
幾重ものパラレルワールドは、全ての知識を知るボクの前ではまるで初心者のゲームかパズルのように簡単に網羅出来て、あと一つ、今ボンゴレ狩りを進行しているこの世界を攻略すれば終わりというところまで来ていた。
勿論それも時間の問題で、正直余りに呆気無いであろう世界の攻略は、更にボクを退屈にさせていて。
だからこの世界はゆっくりと楽しむ事にしたんだ。
ふぁ…と欠伸を一つ。
ボクはソファーで退屈を噛み締める。
少し前まで必死に演技をしていた正チャンもいなくなっちゃったし、過去から来た綱吉クンたちも無事アルコバレーノの試練ってヤツをクリアして今は修行の最中だろうね。
ふふ、ボクの情報網を甘く見ないでよね、正チャン。
あぁでもこれも一時しのぎの平和なのかな、彼らには。
ボクは逆に退屈で死にそうだよ。
ふぁ、ともう一度欠伸をしてソファーに横になる。
もう五月蝿く仕事をしろっていう人間も此処にはいないし、少し寝ようかな、なんて思う間も無く、ボクの意識は眠りの世界へと落ちていった。
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