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ひらひらひら……舞い落ちる

ひらひらひら……薄紅色の桜が舞い落ちる



『むくろ……』



愛しい、彼女の声が聞こえる



『むくろ……』



ねぇ、僕 頑張りましたよ



『むくろ……』



貴女を喪ったあの日から、ずっと頑張って来ました



















ねぇ、何故 僕たちは別れなければならなかったのでしょう

あの日の喧嘩は本当に些細な事で

けど僕も貴女も謝るタイミングを逃してしまって意地を張って……



『むくろ……』



泣きながら部屋を出ていった貴女をすぐに捜しに行けばよかった

そのうち帰ってくるなんてタカを括っていた僕はなんて滑稽なんでしょう



『むくろ……』



一晩経っても帰って来なかった貴女を捜したんですよ。




あの雪の中を……



















でも貴方は見つからなかった



『むくろ……』



昔から僕を困らせるのが上手な貴女だったから、何処かで隠れて僕を待っていてくれてるんだと思っていました

けど、どうしても見つからなくて……

この僕がボンゴレにも頭を下げて捜してもらったんですよ



『むくろ……』



あれから僕の中ではずっと雪が降り続いています

貴女のいない部屋は凍えてしまいそうなほど寒くて死んでしまいそうです



『むくろ……』



でもきっと貴女は僕の元に帰って来てくれると信じていましたから、ずっと貴女を捜しながら待っていました



『む、くろ……』



愛していたんです

どうしようもない程貴女を愛していたんです


あい…し、て……



『…く……ろ、』



どうしてですか、どうして……

僕は決して泣き虫ではありません 

貴女がいなくなってからだって泣いたりなんかしなかった

なのに涙が止まらないのは何故なんでしょう……



















ひらひらひら……うす紅色の桜が舞う

ひらひらひら……貴女の好きだった桜の花弁が舞ってます



『     』



あぁようやく、貴女は僕の手の中に戻って来た

僕の中の冬が終わり、春がやってきたんです

貴女とともにいられるなら冬でも構わなかったんですが、やはり貴女の好きな春に再会した方がロマンチックでしたね

だから、きっとこれは喜びの涙なんです

そうでしょう?

















名前――――――



→#

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あきゅろす。
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