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01

5月5日は子供の日!

……いえいえ?違います、今日はお隣の恭ちゃんのお誕生日なのです。

なんだけど……。








目の前にはリビングでTVを見ているベルがいて、向いのソファーに座っている私の隣にはマーモン。

少し離れたテーブルにはスクアーロがいる。

なんかお笑い番組を見てるのかベルはゲラゲラ笑ってて。

マーモンはこの間ザンザスが買ってきた株式の本を読んでいて、スクアーロは眼鏡を掛けてるトコを見ると勉強中。

こんな天気の良い日に、恭ちゃんの誕生日の日に、本当ならケーキを作るとかお祝いをするとか色々あるはずなのに、なんでこんなところで座ってるンだろ、私……と溜め息が出る。

あ、溜め息ついたら喉が乾いてしまった。なんか飲もっと。

立ち上がった瞬間



「何処行くんだよ」

「どこいくの?」

「おいぃぃーーどうしたァア!」



…………。



三人の目が怖い。特にベルの目が怖い。

なに?なんなの???

「…えと、喉乾いたから、」

云った瞬間興味を失ったように視線を元の位置に戻した三人に恐怖を覚える。

なんだろ、私なにかやったかな……?






首を傾げてキッチンに向かえば、何やら作っているルッス姐がクスクス笑っていた。

「……なによ、理由知ってるの?ルッス姐」

でも笑ってるだけで返事がない。

トントントン…という包丁の音だけが耳に木霊した。

私がムッとして目を眇めると、ようやくルッス姐がこっちを向く。

「ふふ…。ホントにおかしいったら。あの子たち警戒してるのね」

「私、警戒されるようなことしたかな?……もしかしてアレ?ベルのナイフで果物切ったら切れ味悪くなったのをスクのせいにしたのがバレたとか?」

「……違うと思うわよ」

「じゃ、マーモンの貯金箱掃除の時に落っことして割っちゃって、中身が箪笥の陰に転がってったのをそのままにしといたこと?でもちゃんと私のお小遣いから合わせといたんだけど」

「……それも違うと思うわ」

「えー…んじゃベルが好きだってカミングアウトしたクラスの高橋君に、ベルの隣の席になるよう細工したのがバレちゃったとか?そういえばそれ以来、ベルじろじろ見られてヤだっていってたもんね」

「……とりあえず今の全部聞かなかったことにしておくわん。って、もう!そうじゃなくて去年の今日を思いだしなさいな!」

「……。去年の、今日?」

うーん、と考えて、思い出すのは……出す、の…は。


「あーーー!」


思い出した!

絶対思い出したくない記憶の一つとなった悪夢の日!




それは去年のこと



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