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忍魂(たま)小説
魔術戦闘パロ
※なんか忍術学園の生徒は妖術(魔術)なんかが使えちゃったりしてます。で、しかも学内試験として戦っちゃったりしてます。

ちなみにマスター(術者)には守護神若しくは守護霊が付いています。


シチュエーションは学園内対抗戦で、上級生下級生関係なく戦っていたりします。最下位の生徒の在籍クラスには1ヶ月間トイレ掃除と地道な嫌がらせな罰ゲームが待っていますのでみんな結構必死です。








『――――続いての対戦者を発表します!』


学園の塀に立て掛けられた看板に、生徒が群がる。

司会の庄左ヱ門は手元のプログラムを捲り、隣に居る山田を見てから対戦者を読み上げた。





『続いての対戦は―――No.15 食満留三郎選手・No.28 鉢屋三郎選手です!』



ざわざわとどよめきが広まり、その中から名前の呼ばれた留三郎と三郎は人混みを掻き分け外に出ると、互いに士気漲る瞳で握手を交わす。

相手は仮にも下級生。
だがあの長次や伊作を負かして準々決勝まで進んだ男だ。本気を出さなければ足元を掬われる可能性が無いとは言い切れない。



「手加減はしないぞ」

「臨むところです」


挑戦的に口角を上げた三郎に留三郎の握る手に力が籠もる。




侮っちゃいけない



留三郎の目が光ったのを三郎は見逃さなかった。






『――ここで実行委員会より会場のお知らせを致します。食満選手と鉢屋三郎選手の属性が大地属性であることを考慮し、試合は第7区域の裏山の広場で行うこととします。』


「第7区域って…あの!?」



滝夜叉丸が顔を歪め、隣に居た喜八郎はその様子に首を傾げた。




「どうかしたの?」


思わず実行委員会の所に行こうとしている滝夜叉丸の腕を掴むと、滝夜叉丸の顔は引きつっていた。



「第7区域…裏山の広場といえばいつ仕掛けられたのか解らない呪いが残されているんだ。この前体育委員会でマラソンをした際に偶然発覚したんだが…」



さては七松先輩、申告していなかったな。と喜八郎が彼を見れば、当の本人は笑っている。間違いない、状況を楽しんでいるのだろう。




「すぐに実行委員会に知らせて場所の変更を!!」

「落ち着け滝夜叉丸。」

「立花先輩、」




いつから居たのか、仙蔵は滝夜叉丸の肩を叩くとクスリと笑った。




「呪いのことなら、ちゃんと報告は受けている。」



仙蔵の手には緊縛の札が握られ、見れば何かがグルグル巻きにされている。




「人形(ヒトガタ)だ。かなり古いものだから術者の特定はできなかったが、あとは燃やして灰を流すだけだ。」

「さすが作法委員、対処が早いですね。」



滝夜叉丸に仙蔵は「まぁな」と得意気に微笑むと小声で呪文を唱え、緊縛の札は一瞬のうちに炎に包まれ灰に変わった。





「だが、まだ問題はある。あそこら一体は元々墓地だったから内側に向けての結界が張られている。このヒトガタが集めた魂はまだあの中だろうな。」




仙蔵が裏山の方を見て、それにあわせて二人もそちらに視線を向けた。





「実行委員会…いや、先生方も何か考えがあるんだろう。しばらく様子を見よう。」

「えぇ…」

「はい。」









先程まで晴れていた空には雲がかかり、太陽は隠れて地上に伸びる光が消える。





「霊場を選ぶなんて、実行委員の中にはとんだロマンチストが居るようだな。」



会場に向かう途中、食満の横を歩く伊作は顔を俯かせ表情に影を落とす。




「…危ないことはしないでよ、留さん。」



そんな伊作の頭を留三郎は優しく叩くと胸元から魔道具を取り出した。





「お前のそんな顔は見たくないけど…無茶はするよ。勝ちたいからさ。」













(多分続きます〜)

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