Love!
5.望む
XXXHOLiC、連載
望めば、何でも出てくるらしい。この力は。
「―――何でも?」
『"この世界の理に則した物なら"何でも、ね。』
「・・・・?」
『例えばこの世界には扇風機があるけど、他の世界でなかったら出せない。』
「いや、何でそこで扇風機が・・・」
『後、ランプの魔神3ヶ条もね。
世界に共通した禁止事項だから。』
「へぇー。
じゃあ今これ必要じゃないかな。」
『何で?』
「今十分に必要な物はあるし、死んだ人が帰らない事くらいしってるし、特に今はいらない。」
『・・・欲がないの?』
「うーん、強いていうなら・・・」
コンコン
「藍ちゃん?
ご飯出来たよー」
「あ、食べるー!」
『・・・・なるほど、"食欲"、ね。』
しかも叶えてくれる彼もいる。
とりあえず乱用するような人間じゃなくてよかった。
安心と共に、眠気。
フラリと藍が創り出したクッションに倒れる。
『彼女・・藍がきて・・・よ、かった・・・・・』
ポソリとそう呟くと、シロナはそのまま眠りについてしまった。
その姿は、とても幸せそうだった。
望む(物は自分で手にいれる)
当たり前のコト。
イレギュラーな彼女は
それをちゃんと分かっていた。