Love!
1.焦がれる
XXXHOLiC
・・・駄目だ。
「勉強手につかない・・・」
ハァ、と重い溜め息をついて、さっきから全く動いてくれない水色の細身のシャーペンに業務を止めさせて机の上に丁寧に寝かせた。
どうしても丁寧になってしまうのは、多分、彼のせい。
・・・と考えてボフンと顔が真っ赤になった。
「ちが、違う違う違う!!
決してそう言うつもりじゃないんだ!」
「藍ー、近所迷惑だから叫ぶのは朝にしなさーい」
「あ、はーい」
下の階の母からの注意である程度落ち着いて、落ちつい、おちついて・・・
「いられないっつのバカ・・・」
クッションに顔を埋めて、部屋の隅で蹲る。
ポソリと呟いた内容は特に考えずに発してしまい、後々その意味に顔を赤くしてしまった。
・・・ここまで女々しかったのかと逆に笑えてくる。客観的に見たら。
でもこれは残念ながら現実で、しかも急激に展開が起こってるから、私は主観でしか捕えられない。
よし、落ち着こう。
まず彼は好きな人がいる。
その子の方が私よりお似合いだし、だから私の出る幕はない。
・・・あれ、何か虚しくってか、泣きたくなってきた・・・
い、いや、気のせいよ!
非常に気のせいなんだから!
そう、私疲れてるのよ。
だから勉強も進まないのよハイ問題解決!
バン、とクッションを壁にほおり投げて、背伸びを1つ。
うん、大分気持ちが楽になった気がする。
もう今夜は勉強を諦めて早く寝てしまおうと考えて部屋の電気を消して一階へと降りて行った。
――入浴中に「チョコレートあげようかな・・・」なんて血迷った事を考えてしまって風呂に沈没してしまうまで、後7分。
焦がれる。(無意識に)
・・・絶対認めないんだから!