[通常モード] [URL送信]

君と見た世界は
D五百年と片思い
最終話以降の話です。
ネタバレアリなので最終話まで読んでから読んだ方がおすすめです。
八戒と勇騎さんが中心の話です。
前世の絡みもアリ。
以上がオッケーな人は進んで下さい。




勇騎は本を読んで頭を抱えた。
どんなに本を読んでも分からない。
「紫」
「なんだ、クソ忙しいのに」
忙しいと言われても刀の手入れをしてるだけだ。
集中してやりたいのは分かるのでその場を何も言わず離れた。
「あ、八戒さん!」
服の袖を引いて八戒を呼んだ。
三蔵の好きな珈琲の淹れ方も、色々教えてもらった。
人間を学ぶという事になれば、八戒は師だ。
勇騎は思わず笑みが零れた。
「どうしたんです?」
これで悩みがとける。
「八戒さん、凄く色んな本や少女漫画や新聞雑誌を見たのですが、母という人間でいうポジションが分りません。」
これはきっと三蔵が悲しむだろう問題だ。
「良いですか、勇騎さんなんでそんな事に思いたったのです?」
勇騎は確かに長寿で昔三蔵が赤子の頃面倒を見て居て、子供様に思ってるらしい。
けれど、三蔵は女性として見て居る。
完全なお互いのくい違い。
「えっとですね、昨日服が妖怪に破られてしまってですね。火鼠の衣なので火に入れればいい話なんですが、三蔵様は他のを着ろと……。」
「火鼠って……何処の竹採り物語ですか。
まぁ、三蔵はまたには別の服を着ろと言いたいと思いますよ。
それが何故母ポジションに?」
「いや―、一応人間の保護者の母と言う人種はどの様な服を着てるかと…
やっぱり割烹着ですか?」
紫が勇騎の事を頭が良いが゙中身は豆腐だ゙という事が分かった。
「勇騎さん」
「はい」
「とりあいず、母ポジションから離れましょう。」
「マジですか!?」






「八戒、頑張るな―あの阿呆に教えるなんて」
紫は床で寝そべって欠伸を噛み殺した。
「勇騎ちゃんでなんかすぽ―って抜けてるよな。なんでな訳?」
「豆腐だからだろ」
「三蔵サマも大変だな」
悟浄は苦笑い。
頭が良いが一般的な教養が抜けている。
「トカゲを飼うのは大変だからな。」
「今まで飼い主やってたなら助言してあげても良いじゃない?」
「放し飼いだったからな。」
分からんと勇騎は堂々と腕を組み言い放つ。







「すーかぁあと?ってコレなんですか?」
化粧道具さえ並んで居る。
「服は今、流行の落ち着いたワンピースで、靴はサンダルで良いでしょう。
せっかくと美脚なんですら見せないと」
「化粧するんですか?僕、やった事ありませんよ。自分では」
「紫さんにやってもらって居たんですか?」
「いえ…八戒さんの前世と光明に」
八戒は少し不思議だった。
「僕はどれくらい貴方にしていたんです?」
「えっと、部屋に遊びに行く度に」
勇騎はイスに座る。
それは人形の様な姿。
「そうですか…ではジッとして下さい。」
長い睫毛。
綺麗な白い肌。
(三蔵には勿体ないですね。僕が欲しいくらい……え?)
手を止めた。
今、何を考えた?





「なんですか、天蓬。
本当に好きですね。色塗り」
「化粧ですって勇騎さん」
笑いながら白粉など口紅など塗る。
「金禅が振り向いてくれれば良いですね。」
綺麗になる彼女を見るのが楽しくて





ずっと片思い。
「本当、今でもお人好しだなこりゃぁ…」
離れた家の屋根から紫はその光景を見る。
昔や今も変わらず八戒は勇騎に気持ちを伝えていない。
それは、勇騎が三蔵が好きなのを知っているからだ。
「奪える所にあるつ―のに」
「手出すとお子様に撃たれて
ぱぁ―と散っちまうって」
「居たな、母離れ出来て無い餓鬼が」
「てめぇ等、誰が餓鬼だ。」
悟浄と紫の頭にハリセンが飛んだ。
「いっ………手加減しろッ!」
「三蔵サマったら、一応紫女性なんだから手加減しろよ、本当」
「ソレは男だろ。」
三蔵も屋根に座る。
「気になるのか?」
「うるぇ…」
図星の様だ。

「化粧して可愛い花柄ワンピース着たアイツは、不本意ながら俺も綺麗だと思うんだな―コレが」

ぴくっ

「八戒がほっとくかなぁ―」

ぴくっ…

紫が怪しい目で三蔵を見る。

「そうだな、三蔵に会うまでにすれ違う男とか?」

悟浄の最後の一言に三蔵は立上がり、動いた。
「何処いくんだ?」
技とらしく聞く。
「煙草をきらした。」
昨日カートで買ったくせにと紫はニヤニヤ。
「気を付けて降りろよな―。」






「三蔵様!?
あ、すみません……様要らないんでしたね。
さん―ぞ☆」
ワンピースに着替え終わった勇騎は化粧をしてやらに綺麗だった。
「勇騎すげぇな!始め分かんなかった!」
悟空もハイテンション。
「お帰りなさい、三蔵。何処へ行って居たんですか?」
八戒がニヤニヤ。
見てたの知ってたんだよ―って目。
「煙草を買いに行っていた。」
「勇騎さんに煙草の匂い付けないで下さいね。香水も今日は付けたんですから」
そういえば花の香りが鼻に付く。
「三蔵、あの……あのですね。」
袖の端を持ちもごもご。
「一緒に彼岸花でも見に行きませんか?夕方に……
朝、町の外れに田んぼの周りが赤く綺麗で///
僕、゛三蔵と゛見に行きたいんです。」
クリティカルヒット!
効果抜群だぁああああ
三蔵はそれでも平常心を理性をフル活用して保つ。
「あぁ…」
返事はそれだけだが、勇騎は笑顔。
「良いんですね!わ―い!」







「八戒の阿呆、ヘタレ、お人好し。
悪役になりきれない消えて逝くだろいキャラだ。絶対」
「紫さんのツンデレ。」
心配してくれているのは知ってる。
手を出しても良かったんだと言う。
「てめぇ、あの二人何故行かした?
お前はそれで良いのかよ。」
「分かってしまったんですよね。
勇騎さんが僕を好きになってくれたのは、とても嬉しいですが…。
向けられていたのは、違う好きなんだって……
僕が好きな種類と違うんです。」
八戒は笑う。
一息置き、何処か遠くを見て居る様な目。
「きっと、勇騎さんは僕を一番には思ってくれないだろうって、でも勇騎さん泣かしたら三蔵殺してやりますよ。」
冗談に聞こえない。
紫は苦笑いを浮かべた。
コイツ、ヤンデレの素質アリだ。
「それにこの頃思ったのですが」
「なっんだよ?」
いきなり見るからビックリして声が吃る。
「紫さんも結構好きなんですよね―。」
「え゛?」
鼻筋にキスされて流石に紫は青ざめる。
「まぁさっきのは悪ふざけですけど…
紫さんは茶のみ仲間として゛好き゛なんですが」
「八戒……本気で心臓に悪い。
やめてくれよ……。」







届かないと分かって居て

好きになる

空の星の様な貴方

大好きと伝える事はないが

どうか遠くで笑ってて

それで僕は幸せだから



オマケ

勇騎「ナガッ!半年ぶりの新規だけに!
短編の癖に長いです。」

三蔵「おい、この本編は何の話だ?」

紫「あ゛?そんなん…知るかよ。
じゃぁ適当に勇騎×八戒で」

悟浄「紫、カップリングの書き方分かってる?
攻める×受ける
って書くのよ?名前は」

悟空「カップリングってなんだ?攻めるって」

八戒「悟空、貴方もう18なんですから、分かりましょう。無知程怖い物はありません。」

三蔵「紫、書き直せ」

紫「え―別にいいじゃんか。
あってるし」

悟浄「マジで言ってる?紫さぁ―ん?」

紫「大マジ」

悟空「つづりあってるけど…」

八戒「あははッ、紫冗談やめて下さい。そして悟空、少し黙ってて下さい。」

勇騎「あれですよ。何事も経験の差です。」

全員「!?」(ヒロインが言う台詞じゃぁねぇ!!)





後書き
投票のヤツで八戒との絡みがありましたので絡ませました。
お気に召せばよろしいのですが…
まぁ!とりあいず楽しかったです!





[*前へ]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!