[携帯モード] [URL送信]

君と見た世界は
E
階段を登るが会話は、ラーメンばかりで頭が痛くなる。
塩や味噌、豚骨の話ばかりだ。
「吐く…やめてくれッ…」
ふらつく紫。
吸血鬼はニンニクが駄目です。
なので青ざめて口を押えて泣きそうになって、食道をつたってくる。
酸っぱいのが上がって来る。
「紫!大丈夫か!」
「あはははッニンニクは吸血鬼の毒だって聞いた事がありますね。今度、苛めてみましょうか」
「やめろ…八戒」
残念ですと笑顔。
言いながらもやりそうだ。
「どうにかしてくれ…三蔵サマよ。」
悟浄は三蔵に言うが完全無視。
「おい!見えて来たぜ?」
走って階段を登る悟空。
「元気だねぇ」
「そうだな…くそっ………」
血はまだ足りないのか苛ついてる紫。
「アイツの血ぜってぇ…カスカスッにしてやる。」
ふはははははッと笑う。
「わぁあああ!紫が壊れた!」
「ほっとけ、只の貧血だ。」
「慣れ過ぎだろ!三蔵!」
悟空、悟浄にツッコミを大量に入れられる。
「勇騎さんが居たら貧血にもならかったんでしょうが…。」
「………ねぇよ。」
「三蔵…何か……」
言ったかなと八戒は聞く。
「取り戻すさ…全部な…」
何一つ渡さないという強い意思。
「神様に喧嘩か、本当よくやるなぁ…お前等は」
「紫さんもその一人ですよ?」
「いやいや、俺はただの吸血鬼だよ。」
首を振る。
八戒は吸血鬼も吸血鬼ですごいと思うと笑う。
「紫って丸くなったな。」
「あ?」
「初めて会った時はトゲトゲしかったのによ。」
悟浄に言われるが全く自覚がない。
「そうなのか?」
「そうですね、他人行儀の言葉が無くなったので少し、親しみを感じる様になりましたね、言葉に。」
「八戒、それじゃぁ俺が今まで言葉の使い方がキツかったと意味が取れるのだが…」
「え?そうではないのですか?」
惚けたフりをするが、絶対分かってやってる苦笑い。
絶対、一回はギャフンッと言わせたいと心の中で呟いた。
「サンゾーも丸くなったしな。」
「アレでか?」
「アレとはどうゆう事だ?」
三蔵が銃を構えて聞く。
「だってすぐキレるしな。銃撃つし」
「見えない所で、ですよ。悟空が言うなら少し丸くなったんでしょうね。」
八戒と悟空が言うならそうではないのか?と思ってしまう。
丸く本当になったのだろうと…。
「丸くなったか分からない程トゲトゲしいとか?」
ガウンッと悟浄に銃を撃った。
「わっ…」
ドアを開けて逃げると気味悪い人形が出迎える。
「また式かよ…」
そう呟く。
この数日良く見るなと紫は溜め息をついた。
「イラッシャイマセ,ココより先は禁煙となっておりマス。お煙草は御遠慮下さい。また銃器類の持ち込みも認められておりません。」
「おい、銃だってよサンゾーサマ」
「ウゼェ」
知るかと顔を他に向ける。
「ウエルカム、神様のお城へヨウコソ!!貴方がたハ48組目のお客様デス。当アトラクションは時間無制限とまっております。尚、途中危険は出来かねますのでお気を付け下サイ。」
気味悪い人形が言う。
ブチッと何かがキレたか紫が人形を蹴った。
「ウゼェーッ!!」
「どうしても規則を守って頂けない場合。この様な事が怒りますので」
上から石の柱が落ちて来る。
バンッと石の柱を片手で受け止める。
「吸血鬼の本物の力、知らねぇだろ…。」
「すげぇ………」
紫を見て悟空は言う。
投げ飛ばして不敵に笑む。
「悟浄…」
「なんだよ、八戒」
「浮気しないで下さいね。したら勇騎さんの様に殴られたら一溜まりもありませんよ。」
「あ………」
背筋が少し冷えた気がした。








何段階段を登っただろう?
流石に疲れた。
仕掛けだらけの屋敷は昔勇騎と入ったが今は楽しむより、ウザいとしか考えられない。
「なんだってんだぁ!」
叫くのは無理はなかった。
「マント焦げてる!!五階のトラップ時だ!くっそー」
マントの端を見て悟空は悔しがる。
「でも七階の迷路は面白かったですよね。」
「虎と格闘させられたのか十階だったけか?…全くこの城の設計した奴の顔がみてぇよ。」
「もつすぐ見られるんじゃぁないのか?最上階だ。」
重いドアをゆっくり開ける。
「誰も居ない?」
悟空は不思議がる。
「そんな筈はないと思うんですが?」
八戒は周りを見渡す。
何もない。
只のコンクリートの壁と床だけだ。
「そうだね。ココは僕の"始め"見た世界。」
ゆっくり世界が変っていく。
血まみれのコンクリート。
ひび割れたコンクリート。
只のコンクリートに倒れてる"神様"。
「こんにちは、初めまして。金蝉、捲廉、元帥、悟空、そして紫」
蒼い髪、大きな蒼い目、真っ黒の服。
「勇騎…?」
止まった。
頭の思考回路が…。
紫は只勇騎を見る。
あの名前の人間等を口にしている。
「違うよ。吸血鬼、僕の名前はさ、蒼(ソウ)だよ?で…君が悟空?」
うっすら笑い悟空を見る。
ゾッと背筋が冷えた。
「お前、勇騎じゃぁネェな…」
悟空が如意棒を構える。
「だって僕は僕だよ?違う人と同じにしないでよ。」
グッと神様の死体を踏み付けながら言う。
「三蔵、アレは勇騎さんですよね?」
「だよな!だって喋り方以外…」
「同じ…じゃぁネェよ。」
ガチャッと蒼に銃を向けた。
そして全弾を撃った。
ふらつく蒼はまた普通に立つ。
「いきなり撃つなんて酷いね。普通なら死ぬよ?」
自分の腕の血を舌で舐めとる。
「僕は急いでるんだ。コレとその悟空ってやつ貰っていくよ?」
魔天経文を右手に持ち左手で悟空を指差した。
「行かせるかよ!それに悟空を連れて行っても何の役にたつ!?」
「紫、何気にひでぇーッ」
「経文を黙って持って行かせると思ってるんですか?」
「そうだぜ?通行費は高いからな」
四人は戦闘モード。
「勇騎?」
声が聞こえた。
声にならない叫び。
目の前に血が飛んだ。
悟空や紫や悟浄に八戒。
いくら攻撃しても倒れない。
まるで……勇騎と同じ。
「君も僕と戦うの?」
「おいたはそれくらいにしな、蒼。」
後ろから突然、男は現われた。
三蔵は反射的に距離を取る。
「悟空は?」
「ココだよー焔!」
ズルズルッと気絶した悟空を引きずる。
「待ちやがれ!」
銃を撃とうとすると蒼が目の前に居た。
引き金を引く筈だった手が止まる。
「甘いな生まれ変わってもお前は…」


[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!