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君と見た世界は
D
夜中、三蔵は自分の部屋の外で奇妙な物を見た。青髪の少女が窓から見える道で、鼻歌を歌い、スキップしながら走っていく。
何気ないその光景が目に焼き付いた。
こちらを向いた訳でも無い。
けれど、残った。
奇妙なのは、それと…少女の身体が所々光った様に見えたのだ。
(なんだ?)
分からない。
只、気配がして次に身体を起こすと目の前に妖怪が居た。









その頃、勇騎は目の前の妖怪を殴り殺して、指先の血を舐めて、うっとりとした表情を浮かべて居た。
味が気に入ったらしく、フラッと立上がり、男の妖怪の死体を脚蹴りし、踏み付けた。
「男は堅いくて…。そこに居ますね……誰か。」
振り向いて、笑む顔には少しばかり血が付いている。
女妖怪は、逃げようとしたが、脚が縺れ、転倒した。
右だけ鱗だらけに長い爪。
それに長い牙。
右だけ尖る耳。
「お前、妖怪のくせに…何故、仲間を食らうのだ!」
悲鳴の様に聞こえたが、勇騎は…高笑いをあげて、いきなり静かになる。
「妖怪ぃ、誰が…です?僕は妖怪ではありませんよ。」
妖怪に近寄り、肌に爪をたてる。
その出てきた血を舐めとりながら、「僕は、突然変異動物。簡単に言えば…新種」もう一度食い込ませる。
女妖怪は、恐怖でガタガタッと震え、勇騎を見た。
只、不敵に笑う、人食い竜を見て…。
「貴様がやったのか…」
後ろに新たに現れた妖怪を見ると、「そうですよ」と返事を返す。
「逃げろ!」
と女妖怪は叫んだが、同胞は勇騎の腹にナイフを突き立てた。
だが、痛そうにもしない。
さっきだって、切られたのに動じない。
「コイツは…死なないだ…」
ナイフを抜くと傷口はすぐに塞がる。
「次は…僕の番…。舞え、そして狂え、千本桜。」
小さな氷の刃が肉体に突き刺さる。
二対は一瞬で死んだ。
「少しは、柔らかくなりましたね。そうでしょ、妖怪さん?」
死んだ妖怪を見て笑った。









「くそっ…勇騎のやつ……。」
頭をかいて、殴り倒した妖怪を見た。
食べに行くと言って帰ってこない。
まぁ、死なないだろうが…。
「勇騎さん、紫さん大丈夫ですか!?あれ、勇騎さんは…」
八戒が心配して来てくれたが、心配する必要が無かった様だが、勇騎が居ない。
「勇騎は、ご飯食べに出かけた。言っとくが人間じゃぁ無いから安心しろよ。
って坊主は?」
「あ…」
「あ…って忘れてたのかよ!?」

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あきゅろす。
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